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【5月7日】山脇卓也さんが東京六連合同演奏で絶賛博す(5月3日) PDF プリント メール
作者 webmaster   
2009/05/09 土曜日 00:19:33 JST

 当協会が設立した「ラトビアの歌をうたう会」(5月からGaisumaと命名)の若き指揮者・山脇卓也さんが53日、伝統に輝く第58回東京六大学合唱連盟定期演奏会(東京芸術劇場大ホール)の合同演奏で、この演奏会のために委嘱した無伴奏男声合唱曲『あの日たち』を初演し、絶賛を博しました。  

 この作品は、合同演奏指揮を依頼された山脇氏が、若手期待の作曲家・北川昇氏に委嘱したもの。北川氏はテキストに立原道造の詩から5編を選んだ。立原は24歳の若さで死去した詩人で、その作品は若々しくみずみずしい感性に溢れる。北川氏が選んだ作品はいずれも立原21歳前後の作品で、この日初演する学生たちに最も相応しいテキストだった。作曲の北川氏自身もまだ24歳の青年で、若いハートを優しく包み込む表情豊かな作品に仕上げた。時には激しく若さをぶつけるが、全体的に男声合唱ならではの美しいハーモニーで感動的な終曲につなげる。聴いている私もふと青春時代にタイムスリップさせられるような情感溢れる作品だった。

 山脇氏はプログラムに「若い学生たちが、同年代の立原の言葉をどう感じ、24歳の北川の音楽をどのように歌うかという気持ちを大事にしたい。私はその背中をそっと押してあげるだけ」と書いていたが、その言葉通り、200人の学生を前に派手なゼスチャーは一切なく存分に歌わせた。“私の指示通り歌え”という姿勢を全く表に出さなかった。新作初演はなかなか名演奏が生まれないが、この日の初演は文句なしに感動的な名演奏だった。学生一人ひとりの充実した表情が強く印象に残った。山脇氏の並々ならぬ音楽性と指導力を改めて痛感した。

 この作品は譜面的にも比較的平易な感じを受けたし、少人数でも充分表現できそうだと感じた。若者によって生み出されたこの佳品を高校生たちにも愛唱して欲しいし、男声合唱再興の起爆剤になればと願った。アンコールに歌った、同じ北川氏作曲の「ここから始まる」(初演)も実に素晴らしく、心に沁みた。本当に若さが羨ましかった。

 

写真

六連の合同演奏で拍手を受け続けた山脇卓也指揮者

 

  58回目を迎えた東京六連演奏会のこと 

 

 この演奏会は私が早大グリー入部早々の1952年(昭和27年)6月に日比谷公会堂で第1回が行われ、想像を絶した人気で開演前から会場を二重三重に取り巻いたお客様をみて大興奮した記憶が鮮明にある。以降、各大学とも新メンバーによる初の大ステージとして定着し、幾多の名演奏を残した。第1回演奏会は私自身も1年生ながらオンステを許され、早稲田グリーへ入って本当に良かった!と実感した日だった。この日の早稲田は107名で黒人霊歌を歌った。黎明期の第1回から4回まで連続出演しただけに、私自身もこの演奏会への思い入れは特別に強く、今でもスケジュールが許せば聴きに行く。

 

 正直なところ、近年は大学生の男声合唱への関心が薄れ、各大学とも部員数が激減している。今年は出演順に、東大コールアカデミー15名(創部1920年)、立教グリークラブ54名(創部1924年)、早稲田グリークラブ70余名(創部1907年)、慶應ワグネル・ソサェイテイー30名(創部1901年)、法政アリオンコール10名(創部1928年)、明治グリークラブ14

(創部1949年)で、時の流れと言えばそれまでだが、往年の隆盛を知るだけに、とりわけ、明治、法政、東大の少なさに一抹の寂しさを感じた。

 

 しかし、彼等のひたむきな取り組みを目にし、耳にして、“合唱は数だけではない”ことを改めて感じた。明治は新実徳英氏に委嘱した「合唱とピアノのための“三つのよじれ歌”」に14名で果敢に挑戦して初演し(指揮:外山浩爾)、15名の東大はカウンターテナーを含む多声作品「スペイン愛の歌」を極めて正確なピッチとバランスで好演した(学指揮)。慶應の「海鳥の詩」は音楽性豊かな演奏で伝統の力をしっかり発揮した(学指揮)。逆に数が多い立教の「富士山」は早いテンポで軽快にソツなく演奏したが、音楽的に欲求不満が残った(指揮:高坂轍)。法政は昭和10年代の競演会(コンクール)で早稲田がなかなか勝てなかった伝統があり(当時の早稲田メンバーの合言葉は“打倒法政!”)、この六連も田中信昭氏が第1回から欠かさず指導を続けて毎年ユニークな演奏を披露している。今年は日本叙情歌(林光編曲)を指揮者なしの10人でハモッたが、やはり物足りなかった。人数は少なくても、田中氏の捧で法政らしい日本のオリジナル作品を聴きたかった。

 

 さて早稲田だが、今年も「WHAT’S ENTERTAINMENT?」(学指揮)と題して70余名の豊かなボリュームで存分に遊んだ。近年の早稲田は六連を編曲物のポップス中心に聴衆を楽しませ、続く四連で重厚な合唱曲を聴かせるというスタイルを続けている(7月の四連は荻久保和明氏自ら指揮する「縄文ラプソディー」。)このポリシーにOBとしても賛同できるが、問題は中身。かつて宇田川安明編曲「美しき地球の女たち」(1993年・辻正行指揮)に思わず“ブラボー!”と叫んだことがあったが、今年は、彼らがコンセプトにした童謡と洋楽のコラボが中途半端であまり楽しめなかった。登場する動物(?)の動きもぎこちなかったし、最後に肩を組んで“紺碧の空”を歌うに至っては自己満足が過ぎる。六連の場に相応しくない。6分の5は他校のお客様だということも考えねば…。(辛口ご免!)

 

 という訳で、今年はオンステメンバーが少ない大学の、一人一人がひたむきに演奏する姿と演奏内容を評価することにした。早稲田は次の四連(7517時・昭和女子大人見講堂)に期待!!!

Latvija編集室】

 

写真

 

1、東大コールアカデミー

 

 

2、明治大学グリークラブ

 

  

 

3、早稲田大学グリークラブ

 

 

最終更新日 ( 2009/05/23 土曜日 14:11:52 JST )
 
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