東川町とルーイエナ町の高校生相互派遣事業 (報告:東川町国際交流員(ラトビア) クリスタ・ボグダノヴァ) 北海道東川町は2008年にラトビア共和国ルーイエナ町と姉妹都市提携を結んでからさまざまな交流事業を実施していて、その一つ、毎年行われている東川町とルーイエナ町の高校生相互派遣をご紹介します。


2012年にルーイエナ町の女子高校生二人を迎えたのが始まりで、それ以来今年までにルーイエナ町からやって来た高校生は22人、ルーイエナ町に派遣された東川町の高校生は25人になりました。 6月になると、好奇心旺盛なルーイエナ町の高校生4人が来町して、一か月ほど日本語研修や日本文化を体験するプログラムに参加します。日本語の勉強だけではなく、茶道、書道、折り紙、陶芸、お祭り参加、町内や道内見学など日本文化を知ってもらう多彩なプログラムが実施されます。ホームステイもしますので、日本の風習や家庭料理など様々な日常生活を学ぶ良い機会にもなります。 始めの二、三日は、高校生から「日本語、難しい!」という言葉がよく出てきますが、挨拶言葉や簡単な漢字を少しずつ覚えたりすると、大喜びで笑顔を見せてくれます。ラトビアではまだあまり知られていない日本に来て、すべてが目を見張るような経験となります。 ルーイエナ高校生が帰国して2か月後の8月下旬、今度は東川町の高校生がラトビアの一番北に位置している町、ルーイエナ町の高校に留学します。3週間滞在してラトビアの文化や伝統などを学びますが、ルーイエナ高校生が東川町を訪問した時と同じく、ほとんどが見たことのない景色、食べたことのない珍しいものに驚き、写真撮影のシャッター音が止まらないような楽しい旅になります。特に、ラトビアの首都リーガ市では空に広がっている教会の塔、旧市街のカラフルなアールヌーボーの建物の美しさに興奮し目がキラキラ輝きます。 生徒たちはホームステイをしながらルーイエナ高校で授業を受け、課外活動に参加します。公用語はラトビア語ですが、コミュニケーションをとるために英語を使います。「言葉が通じない」「分からない」と嘆くことも少なくはないのですが話せば話すほど困難を乗り越えて英語が上手になり、3週間で非常に成長したことが明らかになります。英語学習のモチベーションが非常に上がった生徒たちはみんな、「やっぱり英語を頑張らなければ!」ということを考えながら故郷に帰ります。 この留学経験が、生徒たちの将来に大きな影響を与えて、国際理解を深めるきっかけになることを願っています。 ※この原稿は東川町の西原義弘町史専門員から寄せられました。・ 写真 (上)東川町の山、大雪山旭岳に大喜びのルーイエナ高校生。だって、ラトビアには高い山が無いのですもの(中央のサングラスが筆者) (下)ル―イエナ町のシンボル、井戸ポンプを押してみる東川町の高校生
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