小森浩美早大教授の骨折りで5月16日、早稲田大学14号館101教室でノルマンス・ペンケ駐日ラトビア大使が特別講義を行った。素晴らしく内容の濃い講義だったが、学生たちの熱心な聴講と強い反応に大使も驚嘆し喜んでおられた。この講義は早稲田大学の日欧交流史研究所とヨーロッパ文明史研究所の共催で行われたが、日本ラトビア音楽協会がコーディネト役を果たした。 大使は英語で話し、随所に小森教授が要約や重要点を解説する形で進められた。
講義中の大使 関連ページ【4月27日】ペンケ大使が早稲田大学で特別講義 この日の講義タイトルは「グローバル・セキュリティ~ヨーロッパの経験と日本」。 大使はまずスライドを使いながらラトビアの「地理」「自然」「歴史」「音楽」「特産物」などディスカバー・ラトビアを見事にPRし、後半はロシア・ナチスドイツなど大国に翻弄された近代のシビアな歴史と、2度の独立に関しで明快に裏面まで話された。特に2度目の独立は、武力で勝ち取った独立ではなく200万人による600キロの「人間の鎖」や「歌と踊りの祭典」なと、歌(合唱)が国家設立へ導いたこと、最初の独立から占領された時代もラトビア人はラトビアを決して忘れなかったことを強調された。 2度目の独立後も外交は常に複雑な問題があり、ラトビアはNATO、EUに加盟し安全保障体制を図っている過程、特にロシアとの外交関係はウクライナ問題にも触れながらかなり明快に話し、“基本的にロシアとは建設的方向へ向かっているが、日本・ロシアの関係も解決までに長時間を要するかもしれない”と語られていたことが強く印象に残った。 学生から熱心な質問も相い次ぎ、1時間半はすぐ過ぎた。私自身も60年ぶりに早稲田の教室で講義を受け、感慨深かった。受講した二人の学生は「ラトビアは殆ど知らなかった。北海道より小さく人口200万弱と初めて知ったが、今日の講義で魅力的なラトビアを知り強い感心を持った。是非行ってみたい」と話していた。 この日は当協会関係者も多数聴講し、終了後、これも早稲田の卒業生には懐かしいレストラン「高田牧舎」で大使を囲む懇親会を持った。グリークラブ部員3名も参加して談笑の輪に加わりながら、大使に「近くラトビアへの演奏旅行を考えています」と、さりげなく協力を仰ぐなど微笑ましい場面もあった。(写真と文責・徳田浩) 写真上 講義終了後、教室内で大使を囲む協会メンバー 写真下 高田牧舎で乾杯、右の3人は現役グリーメンバー ※受講中の学生写真はプライバシー保護の為に非掲載としましたが、100人以上が熱心に受講しました。
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