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【10月25日】立派だった桜楓合唱団結成50周年記念定期演奏会 PDF プリント メール
作者 webmaster   
2014/10/30 木曜日 12:56:09 JST


 

日本女子大学合唱団卒業生が、恩師・木下保氏の薦めて結成した桜楓合唱団が50周年を迎え、第45回定期演奏会と祝賀会を盛大に開いた(1025日・すみだトリフォニーホール)。晴れ女揃いの女性集団らしく朝から絶好の晴天、家を出る前から大成功を確信していたが、改めて彼女たちのパワーを痛感した。5年間の助走期間を経て始まった定演奏会は1年の休みもなく続けられ、その間に17の委嘱作品を初演するなど日本の女声合唱界への貢献も計り知れない。創団時代から歌い続けるメンバーもいるが、この若々しさとひたむきさにあふれるステージ姿には完全に圧倒された。

第1部の「沙羅」 指揮:川村幸子 ピアノ:前田勝則

 

今回の演奏会に関しては、まず全体の構成を称賛したい。

第1部は木下保氏を偲ぶ「沙羅」から始まり、池辺晋一郎氏、柴田南雄氏らへの委嘱作品を次々に演奏して長く充実した歴史を振り返った。中でも1988年初演の「秋来ぬと」で、あの時に驚嘆した福永千恵子氏の見事な音色と女声合唱の美しい調和を再聴できたことに筆者も幸せを実感した。松下耕氏も絶賛した冒頭の川村幸子団内指揮者による「沙羅」(抜粋)は、目を閉じると木下氏が振っているような錯覚に陥るほど見事だった。男声合唱版で何度も歌った筆者も、改めて’”こんなに奥深い音楽だったか!と感じたし、一見素朴なピアノの美しさにも酔った(前田勝則氏)。出来れば全曲聴きたかった。 

第2部は今年度、松下耕氏に委嘱した「あどけない帰郷」を初演。開演前に山崎佳代子氏の詩を読んで、戦争嫌悪と平和への希望という二つのテーマをどんな音楽で表現するか、非常に興味深かった。全体的に、激しさより優しさにあふれた作品(全4曲)で、とりわけ終曲は素晴らしかった。いかにも松下氏らしい作品で、また新たな名曲の誕生を予感した。桜楓も短い時間で良く歌ったが、作曲者が意図した内面的なものをどこまで表現できたかは、正直なところ指揮した松下氏に本音を聞いてみなければ分からない。来年か再来年にでも再演を期待したい。

第3部に同団の初委嘱作品「三つの夜想」(1985年、曲:三善晃、詩:村松英子)を歌ったのは、記念演奏会として最高の選択だった。やはり名曲だ!と改めて実感した。松下氏入魂の指揮で、メンバーも実に良く歌い完全燃焼していた。多くの合唱団に歌われるようになったが、桜楓による初演時に当時毎日新聞記者だった筆者が、三善、村松両氏を取材位してちょっぴりロマンチックな記事を書いた記憶が蘇り、懐かしい思いもした。 

老爺心ながら長年のファンとして最後にひとこと。第1部の愛唱歌コーナーは全員暗譜で歌って欲しかった。 折角聴衆に一緒に歌ってくださいと呼びかけながら、残念ながら一体感が醸し出せなかった。むしろこのコーナーをなくして、アンコールに団内指揮者で三善晃の「雪の窓辺で」「紅葉」を歌って歴史の断片を強調した方が良かったのでは?

筆者が盛大な祝賀会に招かれたことを感謝したい。多くの団員各位に祝意を表し旧交を温めることが出来たし、松下氏、村松さん、福永さんらと楽しく談笑の時間も持てた。松下氏に「今日の新曲は男声合唱に編曲されたら、また新たな音楽になりそうですね」と話したらとても興味を持たれた。村松さんとは三善晃氏との思い出話に花が咲いた。福永さんに「1988年以来、貴女のファンです!」と告げたらニコニコ照れておられた。喜びに溢れた桜楓の皆さんと同様に、私個人も心豊かな一日だった。50年の大きな節目、おめでとうございます。そして、ありがとうございました。【Latvija編集長 徳田浩】

 

「桜楓とは生涯お付き合いしたい」と話して大喝采を浴びた松下耕氏。

 祝賀会幕開けに団歌を歌う団員の表情は喜びに満ち溢れていた。


 

最終更新日 ( 2014/10/30 木曜日 14:54:20 JST )
 
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