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【10月13日】ロンドンで発行の邦人向け新聞に風呂本佳苗さんインタビュー PDF プリント メール
作者 webmaster   
2014/10/13 月曜日 22:07:03 JST

 イギリスと日本に交互に在住し、日本在住中はサロンコンサートの常連として大活躍されているおなじみのピアイスト・風呂本佳苗さんが、ロンドンで発行されている「Up Date Weekly Japan」に彼女のロングインタビューが掲載されました。テーマは「イギリスに暮らす」。風呂本さんの活躍を知る意味でも好インタビューです。【Latvija編集室】

 

震災支援コンサートの準備に余念がないピアニストの風呂本佳苗さん。 チャリティー演奏を始めたきっかけと、 ロンドンでのお仕事、生活についてお話を伺いました。
 


イギリスにいらしたきっかけは?
母の憧れもあってピアノを三歳八ケ月から始めて音楽の勉強していたんですが、一九八八年の高校卒業後、外国で勉強したほうがいいと勧められたんです。(ともに英米文学者の)両親の知り合いもいたし、子供の頃に住んでいてなじみもあったので、留学を斡旋してもらいました。

現在のロンドンでの活動は?
プロになってからイギリスを拠点に活動をしていたんですが、二〇〇七年に結婚してから(夫は推理小説家の芦辺拓さん)は、東京と行ったりきたりなんです。公演は数えたことはないですが年間三十、四十ぐらいでしょうか。伴奏、アンサンブル、ソロ、全部好きですね。人と音楽作るのも好きだし、全部自分でコントロールできるのもいいですしね。現代曲も抵抗ないし、求められればポピュラーもやりますよ。

どんな方と共演されていますか?
バイオリニストの松野迅さんは、デビュー直後から一緒にやらせていただいていて、ちょっと韓流スターみたいな風貌の方なんですが、コテコテの関西人でステージでのお話もコテコテで、クラシックになじみのない人も取り込んでいます。私も見習いたいと思っているのですが、日本でクラシックというと敷居が高いと思われがちなので、すそ野を広げていきたいです。日本の歌を日本語で歌われることもあるイギリスのソプラノ歌手、シャーロット・ド・ロスチャイルドさんとも、ご一緒させていただく機会がよくあります。

ロンドンはお好きですか?
はい。大好きです。コスモポリタンで色んなカルチャーや考えが凄く当たり前で、押し付けないところがあって、私も伸び伸びさせていただいているのかなと思います。
東京は大き過ぎるし、人も多過ぎて、私の性に合わないかもしれません。ロンドンはもっと呼吸がしやすいですね。ちょっと都心から離れたら自然が豊かでのんびりしていて。
文化的にも恵まれていると思います。私はお芝居、現代物も古典も何でも好きなんですが、電車に乗ってすぐに劇場に行ける、思い立ったら予約なしでその足で行って帰って来られるのがいいです。難しいベケット劇の英語なんか、三分の一ぐらいしか分からなくて推測しているような時もありますが、こちらの人の高い演技力が楽しいんです。
ロンドンは芸術的な何かをやろうとした時にサポートしてくれるシステムが、お金の面とか、スポンサーシップなどを含めて整っていると思いますね。

大震災支援コンサートは四回目です。
はい。私が立ち上げて主催しています。運営も古い友達に協力してもらって、何にも出ないで申し訳ないんですが、気持ちだけでお願いしています。私以外の出演者は毎年違いますが、本当に手弁当なのでバリバリのプロの方は難しいけど、編成を変えてそれぞれのソロを入れながら、みんなで演奏できるようにしています。ロンドン五輪の直前にやってしまってあまり人が入らなかったり、ちょっと会場が広過ぎて「風通し」がよかったりといったこともありましたけどね。
コンサートには色々な方がいらっしゃるので、あまり堅苦しくなく、なじみのある曲を選んでいます。日本の曲も必ず入れるようにしていて、今回は宮城道雄の「春の海」を演奏します。
会場費などの経費を差し引いてしまうと(寄付金が)目減りしてしまうのですが、前回はグレイトブリテン・ササカワ財団の助成がいただけましたし、今回も個人の方から協賛金がいただけるので、チケット収入はすべてジャパンソサエティー(日本協会)を通じた寄付に回せます。支援先もきちんとチェックされているようです。

チャリティーを始めたきっかけは?
個人的に二つあるんです。私は関西(兵庫県西宮市)出身なんですが、一九九五年一月に阪神・淡路大震災がありました。当時、私はロンドンにいたので被害はなかったのですが、周りでは色々なことがありました。

その震災のあった年の九月に、日本の先生が私のデビューコンサートを企画してくれたんです。復興のシンボルに、みんなが希望を持てるようにとサポートしてくださって。その時、「お世話になったのに、無力の学生で何もできなかった」「何も役に立たないのにこんな形でデビューさせていただいた」というのが心に残っていました。
もう一つは、二〇〇三年にウエスト・アクトンの家が火事になったことです。上のフラットが火事になって延焼してしまったのですが、色々な人に助けてもらいました。「自分が無力で何もできない時に見ず知らずの人が手を差し伸べてくれる。こんな有難いことはない」ということを実感しました。
音楽は直接的には人の生活に全然、役に立ちません。でも、いずれ何か自分でできる機会があれば是非やりたいと思っていて、日本でも神戸や新潟の震災の後にチャリティーコンサートをやっていましたから、東日本大震災の後も自然な流れで始めたんです。コンサートとは別に被災地でボランティア活動も行っていて、各地でがれき処理や炊き出しをやりました。

休日は何をしていますか?
特に何もせずのんびりボーっとしていますが、旅行は好きですね。演奏旅行であちこち行きますが自由時間はないので、旅行が目的の旅行をします。最近の旅行で感銘を受けたのは中国ですかね。あのたくましさ、あの中華思想というか、なぎ倒していくような生命力が新鮮でした。
読書もします。昔から雑食で漫画も含めて色んな本を読んでいたんですが、今は夫がもらう本が一杯あるので、それを読んでいます。推理小説も読まされていますし、夫はドラマや映画も研究しているので、それも見るようになりました。
夫が書く本については、最初の読者以上の存在かもしれません。違うジャンルの人とすごく深い部分ところ、普通はさらけださないところまでさらけ出すので、お互いにいい影響があるのかなと思います。
夫は腰が重いのかあまりロンドンには来ませんが、両親や親戚、友達が私のいる時を狙って家に泊まりに来ますね。

読者へのメッセージをお願いします。
支援コンサートに是非、いらしてください。前回はオックスフォードだったので、ロンドンに帰ってきた形です。ハムステッドのバーグハウスという場所ですが、七十席のこじんまりとしたホールなので、くつろいだ雰囲気で楽しんでいただけたらと思います。寄付の御礼にお飲物などもお出しする予定です。私のCD「野遊び日和」も十ポンドで販売しますが、五ポンドは寄付させていただきます。

誠実な語り口にチャリティーに寄せる思いが伝わってきました。家族や友人についてお話してくださる時は、ユーモアも交じって楽しいインタビューとなりました。読者の皆さんもコンサートに足を運んでみてください。

(付)東日本大震災被災者支援コンサート『ホープチャリティコンサート』
日時:201410/12(日) 14:00-
場所:Burgh House
New End Square,Hampstead NW3 1LT

*リズ・カッツ(フルート)、ジュリアン・オギルビー(チェロ)、風呂本佳苗(ピアノ)によるバッハ、ピアソラ、フォーレその他のクラシックの名曲、日本の曲も含む多彩なプログラム。予約不要。入場料8ポンド。(未就学のお子様の入場はご遠慮ください)
収益はJapan SocietyTohoku Earthquake Relief Fundに寄付されます。
http://www.japansociety.org.uk/event/hope-charity-concert/
をご参照ください。
お問い合わせ:020 8752 1265
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風呂本佳苗(ふろもと・かなえ)さん
兵庫県西宮市出身。高校卒業後、渡英。英国王立音楽院ピアノ科でロイス・フィリップス、ヘイミッシュ・ミルンの両氏に師事。首席で卒業した後、同音楽院演奏専攻科1995年修了。同時期にロンドン大学大学院音楽修士課程も修了。ロンドンを拠点に欧州、日本をはじめ各地で演奏活動を行う。2011年から東日本震災被災者支援コンサートを毎年、主催している。
最終更新日 ( 2014/10/13 月曜日 23:23:06 JST )
 
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