各界から400名が参集し,明るい気持ちで生前を偲ぶ ペギー葉山、由紀さおり、安田祥子ら音楽仲間も次々に献歌 7月8日早暁に死去した元ボニージャックスの大町正人君(S35年卒)を送る会が9月18日、ホテルグランドパレスで行われ、大町を愛した400名近くの人たちが、すこぶる笑顔の遺影にそれぞれの思いを込めて哀悼の意を表した。会の主催はもちろん結成から44年間一緒に歌い続けたボニージャックス。先ず映された6分余の大町グラフティーの映像と歌声に皆が涙した。10年前に病で惜しまれながらボニーを去るまで、彼の純粋で優しい人柄と生来の暖かい美声は多くの音楽仲間のハートを捕らえ続けた。92歳のやなせたかしさんを筆頭に、ペギー葉山さん、安田祥子・由紀さおりさん、真理ヨシコさん、スリー・グレイセスらが次々に思い出を語り、最高のパフォーマンスを捧げた。四代目江戸屋猫八さんは、“彼は蓮の池で、次の音楽活動の充電中、期待しましょう”と話した。 大町がボニーを去ってから心血を注いで育成した地元横浜の帆船日本丸を愛する男声合唱団が、高らかに“Sailing Sailing”を熱唱し、最後に鐘を鳴らして亡きリーダーを温かく送った。大町君と親交があった10余名の方々が次々に思い出を語り、あまりにも素敵だった生前の大町像が会場にくっきり浮かび上がった。司会はグリークラブ後輩でもあるNHKの柿沼郭君(53年卒)が見事に務めた。 早稲グリOB80名が、“ふるさと”を激唱 大町君の心の故郷でもある早稲グリのOBが80名近くも出席、クラブの強い絆を痛感した。それにしても、こんなに多数が集まったのは大町の人柄・人徳だろう。全員で“ふるさと”を激唱した。遺影から大町の美声がハーモニーの中にしっかり響いていた。作曲者の故・磯部俶氏は大町の仲人も務めた大恩人。 最後にますみ夫人が大町との長いラブストーリーを愛情豊かに振り返った。「大町は私の学生時代から他の人を全く振り向かせなかった!」。アカペラで歌った“Amazing Grace”が心に染みた。 グリークラブで私自身は大町とすれ違いだが、彼が学生で私が新米記者の頃から弟のように親しくしていた。エピソードをたくさん残したが到底書ききれない。グリークラブの大先輩でもある父・正武氏と3人で語り合ったひとときを鮮明に記憶している。大町と同じセカンドテノールで、美声の持ち主だった。 死の前日、7月7日は夜まで大町の手を握っていた。“明日また来るからね”と別れた。かすかに反応してくれた…。翌8日の早暁、ますみ夫人から電話。「2時13分、安らかに逝きました…」。 “みんなで思い切り楽しく歌って大町を送ろう”という趣旨通り、ボニーの仲間たちが、大町を送るに相応しい本当に心のこもった、暖かく楽しい会を実現してくれた。心から感謝したい。それでも私は、終始、涙が止まらなかった。早すぎるよ、大町!(Latvija編集長 徳田浩記) 懐かしいスリー・グレイセスも登場 ますみ夫人が謝辞を述べ、大町とのラブストーリーを振り返った 最後に遺影の大町ともども「早稲田の栄光」を熱唱した
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