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【3月24日】ラトビア人の温かさ 留学生からの便り PDF プリント メール
作者 webmaster   
2011/03/24 木曜日 10:53:13 JST

 ラトビア語教室の受講生でラトビア留学中の伊東えりかさん(筑波大)から、教室の仲間たちに素敵な便りが届きました。今回の災害に、多くの方々から温かいお見舞いの言葉を頂いた貴重な体験が綴られていますので、転載します。国境や言葉を超えた人間の温かさががひしひしと伝わってきます。【Latvija編集室】

ラトビアの優しい方達の心を皆様にお届けします

                                         伊東えりか(留学生)

  

 こんにちは、伊東えりかです。地震から1週間が過ぎましたが、皆様、皆様のご家族、ご友人の方々は、いかがお過ごしでしょうか。今回のこと、首都圏の実質的な被害は、東北の甚大な被害の前には見落とされがちなのではないかと思います。しかし東京も大きな地震を受け、未だ余震が収まらない状態の中、放射能や買い溜めなどの二次災害を被った方がいらっしゃるかもしれません。また仕方がないこととはいえ、計画停電でご不便なこともあるかと思います。東京は機能しているかもしれませんが、東京に向かうまでが困難なこともあるのではとこの度のこと、心よりお見舞い申し上げます。

 こちらでは既に新学期が2月より始まっております。早々に残念なことがたて続きに起こりまして、最終的に今学期ラトビア語を履修することをやめました。未だ気持ちの整理が着かず、悶々とした日々を過ごしております。幸いなことに、私には目下「卒業論文のための資料収集」という大義名分がございますので、とりあえずは無心で留学を続けることができております。このように沈んでおりました折に、大震災が起こりました。実家も家族も無事でしたが、大学には被害があり、この金曜日に行われる予定だった卒業式が中止になりました。被災地のたくさんの学校が同様の処置をしていると分かってはおりますが、同期の卒業式ですので、やりきれない思いでいっぱいです。

 ラトビアでも、この地震にまつわる様々な出来事がありました。残念だと思うこともありましたが、しかし嬉しい出来事がたくさんありました。今回は、この喜ばしい体験を、ぜひ皆様にも聞いていただきたいと思いメール致しました。震災からすぐ、寮に住んでいる留学生の友人達から、次々とお見舞いの言葉をいただきました。特にアジア出身の留学生からは「一緒に頑張ろう」との声をいただきました。当時は、太平洋沿岸の国々にも津波警報が発令されておりました。その子たちのご家族や友人も被災する可能性が高い時に、このようなあたたかい励ましをいただけて、胸がいっぱいになりました。彼らは未だに日本を心配してくれていて、原発に関してもお見舞いをくれたり、余震が続けば家族のことを心配してくれたりしてくれています。

 震災から数日後、#prayforjapanのハッシュタグがラトビアでも衆知のものになった時分、台湾の友達がお見舞いとして、ピンクのチューリップを持ってきてくれました。写真を添付致します。また、先週の日曜日、このチューリップを持ってきてくれた友人の誕生日を翌日に控え、パーティーの準備として中央市場の花屋に、別の台湾からの留学生、日本人留学生、私の3人で向かいましたところ、ロシア系の夫婦と仲良くなりました。台湾の子が主に話していたのですが、夫婦がおもむろに日本の被災状況を尋ね、台湾の子が説明し(ロシア語で)、日本人2人で頷き補足する、という体をとっていましたら、突然夫婦が花屋の店主と早口でロシア語で会話を始め、アジアン3人でちんぷんかんぷんになっておりました時に、「prayforjapan!」と私たち3人分、3つのチューリップをプレゼントしてくださったのです。私たちがお礼を申しますと、「日本は大国だし、絶対大丈夫!」というような旨をロシア語で快活に言ってくださり、私たちの肩にバンバンと気合いを注入してくださいました。 そのチューリップの写真も添付致します。

 感激冷めやらないまま、パーティー用の花を買おうと、花屋の店主に注文をし支払おうと代金ぴったりを差し出すと、「こんなにたくさんはいらないわ」と110サンティームもおまけしてくださいました。彼女も「prayforjapan」と笑顔で見送ってくださいました。
この日は良いこと続きの日で、花屋の帰りにmaximaに寄り、会計の列に並んでおりましたところ、隣に並んだ恰幅のいいおじいさんが、じーっと私を見つめるのです。気にしないわけにはいかない雰囲気でしたので、分からないなりに微笑みましたところ、「きみは日本人か」と尋ねられました。そうです、と答えますと、「今回の地震、心からお見舞い申し上げます」というような旨を言っていただき、深々とお辞儀までしていただきました。お礼を申しますと、「原発のことも本当に残念だ。でも大丈夫。私はチェルノブイリを経験したが、ご覧の通り元気です。日本はチェルノブイリよりもずっといいから、きっとみんな元気になるだろう。頑張ってください」と、ロシア語とラトビア語を交えて言ってくださいました。その後少しおじいさんのお身体のことや日本の状況について話した後、別れ際また深々とお辞儀をして去って行かれました。

 このようなありがたい経験を、私だけのものにしておくことはどうしてもできず、長くなってしまいましたが、皆さんにもお伝えすることができて嬉しいです。ここまで読んでくださりありがとうございました。今後も大変なことがあるかと思います。ですが、そのようなときはどうぞこの写真や、世界中で日本のために心を寄せてくださった方々のことを思い出してくださればと思います。日本にいる皆さんの方が、私よりもずっと、国境や言語を越えた人間のあたたかさ、また同じだからこそ分かる日本人の素晴らしさなどご存知かも知れません。しかしラトビアの優しい方達の心を、皆様にも届けることができましたら何よりです。

 

最終更新日 ( 2011/03/27 日曜日 12:15:11 JST )
 
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