一層の文化交流を

在ラトビア日本国大使館
臨時代理大使
 田中 亨


 10月11日、当地リガのラトビア協会において行われた早稲田大学グリークラブの公演では、当地のジンタルス合唱団も参加し、本当に素晴らしい歌が次々と披露され、会場満席の観客を魅了しました。私もかつてウイーンにおいて日本大使館の文化センター所長をしたこともあり、音楽は聞き慣れておりますが、観客が万雷の拍手を寄せる姿には感動しました。その拍手は本当に心のこもった暖かさであり類ないものでした。早稲田グリークラブの皆さんが、毎年海外との音楽を通じた交流を着実に推進されているご努力に心から敬意を表します。
早稲田グリークラブは1993年、独立直後のラトビアにおいていかなる日本の団体よりも早くからラトビアの卓越した音楽の才能を発見して交流の活動を始め、これまで何回も継続的に当地を訪問しました。ラトビアはこと合唱や歌の分野となるとヨーロッパ随一の大国であり、現在ウイーンの国立オペラ座で活躍しているエリィーナ・ガランチャ、ドイツに住んで活躍しているイネッサ・ガランテなど名歌手を輩出している国です。早稲田の人々がそのようなラトビアの歌唱における真の実力をよく洞察し、音楽を通じた交流関係が一層深まっていることを嬉しく思っております。また10月8日には日本とラトビアのフットボール親善試合が当地で行われ日本に同時中継されました。このような様々な交流を通して、互いに友好と知的な地平線を広げることは何よりも大切なことです。本年、ラトビアは日本に大使館を開設する予定であり、現在準備に奔走しておりますが、明年春には何らかのお披露目をしたいとしています。日本に大使館ができれば早稲田とラトビアとの交流はもっと細やかで緊密なものとなろうかと存じます。両国の歌を通じた交流が今後とも早稲田の若人を通じて、一層深まることを本当に心から期待しています。






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