日本は文化を輸出する努力が足りない

岡村喬生氏(副会長・オペラ歌手)


 
ラトビアの合唱は実に素晴らしい。私は長年のヨーロッパ経験でこのことを実感した。北はアンサンブルに強く、南は個人技に強い。良いオケは南にない。南はカルーソーに代表されるように歌でも個人技の伝統がある。

 ところがラトビアの人は何万人集まってもキチンとハモる。アンサンブルに培われた正確な音程が身に付いている。

 ところで、欧州ではトヨタ・ソニーを知っていてもジャパン、ヤーパンという国を知る人が少ない。世界の文化人500人の中に入ったのは浮世絵の北斎だけというのは寂しい。日本は文化を輸出する努力が不足している。わが国には、歌舞伎、能など世界に誇る素晴らしい文化もある。
私はラトビアとは直接関係ないが、協会設立に双手を上げて賛成した。文化を通じてお互いを知り合うことは大きな意義がある。数年前にウイーンで歌った時、ラトビアの人がたくさん来てくれた。

 私は昨年「蝶々さん」を取り上げて、プッチーニの日本認識の間違いを直した。プッチーニが悪い訳ではない。要は日本の文化を知らなかったということ。今度は(自分の解釈による)魔笛をやることにし、4月にオーデションを行う。ピアニスト・歌手、いくら上手でもギャラは同じ。合唱はオペラのアリアか歌曲を1曲歌えばよい。皆さんもどうぞ。

 オペラを通して物資大国のイメージを少しでも払拭したいと願っている。再来年は公の機関に認められて海外公演を行う予定。


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keisuke Suzuki(C) 2005