《懇親会》素晴らしいスピーチ・パフォーマンスの連続



 
懇親会は総勢60数名が参加する賑やかな会になり、この会に寄せる会員の熱い期待が会場に充満した。

 まずは藤井副会長の開会挨拶と乾杯の音頭で幕開けし、しばらく歓談ののち、ゲストの小林幸雄大鵬薬品会長から、制癌剤の共同開発などラトビアとの仕事上のエピソードを交えてこの会へのエールの挨拶をいただく(別掲)。続いてラトビア最大の銀行パレックス銀行東京事務所長のジャネッタ・スードニェツェさん(女性)が「本会にご招待いただきありがとうございます。パレックス銀行は2003年9月に駐在事務所を設立しました。日本に進出しているラトビアの唯一の企業です。これからもよろしくお願いいたします」と、結構難しい日本語を交えて挨拶し大きな拍手を浴びた。

 ここで岡村喬生副会長が15分講演。「日本は文化において輸出する努力が足りない。日本ラトビア音楽協会が、日本とラトビアの文化・音楽を通じて交流を図ることは大きな意義がある」。時計を見ながらピッタリ15分(別掲)。

 さらに次の方々が登壇して新しく生まれた協会への期待を熱っぽく話した


 レディ・マークス寿子さん(会員・作家、秀明大学教授)「ラトビアの合唱団・ジンタルスの演奏に感銘を受けて、この会に参加しました。あらゆるところでこの会を宣伝してゆこうと決心しています」。

 石川晴彦さん(会員・出版文化国際交流会副会長)「日本の出版物を世界の国々に紹介する事業をしている中、現在EUにも加盟したバルト諸国に関心を持っている。本年度はリトアニアとの交流を図ることになっているが、将来的にラトビアの方々とも交流を実現していくつもりです」。

 山本徳行さん(会員・ラトビア支援の会会長、[北九州]スウェーデン名誉領事)「ラトビアで行われる日本語弁論大会の優勝者を毎年日本に招聘し、3ヶ月間、日本語の勉強をさせている。毎年ラトビア支援のチャリティコンサートを開催しているがNHKが収録して放送してくれた。今年10年目に当たりますので、この音楽協会が立ち上がった記念に、九州で何かできないかなと思っています。日本にラトビア大使館を是非開設してもらい、ラトビアとの交流を正式なものにしたいと念願しています」。


 挨拶・スピーチが一段落したところで会員によるパフォーマンスの数々が演奏された。それぞれのジャンルで活躍する一流のアーチストたちの熱演に場内は感嘆の渦に包まれた。

ピアノ独奏 久元祐子さん(ピアニスト・会員)モーツァルト作曲「トルコ行進曲」(目隠し付き)。他の会員の手で厳重な目隠しをさせてピアノに向い、見事なタッチで弾ききって、会場割れんばかりのブラボーと拍手の嵐。

 男声四重唱 本協会広報紙「Latvija」の徳田浩編集長(会員)と、鈴木賢一さん、長井秀行さん(会員)、宮地和夫さん(会員)。ピアノ伴奏・江藤純子さん。「城ヶ島の雨」「さくら貝の歌」を演奏。グリークラブ仕込みの重厚な中にも甘いハーモニーで会場を包んだ。

 カンツォーネ独唱 小松原るなさん(会員・声楽家)。演奏曲「エンリコ・カルーソー」、ピアノ伴奏・江藤純子さん。歌詞はご本人の訳詩。カルーソー晩年の歌。“夏の暑い夕暮れにソレントの海に面した古いバルコニーにピアノを運ばせて最愛の娘に、最後の熱い愛の歌を歌い上げました。そのときカルーソーは喉頭がんに冒されていました。しかし彼の歌声はまだまだ力強く響き渡り、港の漁師たちも聞きほれたといいます。その後間もなくこの世を去りました…”という前説のあと、しっとりと歌い上げてカンツォーネの素晴らしさを堪能させた。

 ピアノ弾き語り ケイコ・マクナマラさん(会員・ジャズボーカリスト)。“百万本のバラ”の原曲であるライモンズ・パウエル作曲「マーラが与えた人生」を、もちろんラトビア語で弾き語り演奏。不幸を乗り越えて前向きに生きようとする少女の気持ちを、切々と、時には力強くダイナミックに歌いあげで深い感銘を与えた。


 熱い熱い3時間のパーティに、初対面の方々とは思えないような談笑の輪が大きく広がった。協会の目標の一つである会員間の親睦交流という面でも素晴らしく有意義な懇親会になった。板垣忠直会員(福島県芸術文化団体連合会副会長)の中締めの挨拶を行い、「会員一人一人がそれぞれの立場で協会の発展に寄与しよう」と結んだ。


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keisuke Suzuki(C) 2005