【11月12日】「コーロ・こせやま」第8回演奏会 今回も全曲暗譜演奏
作者 webmaster   
2015/11/12 木曜日 23:00:38 JST


最大の魅力は「暖かい心」 今回も全曲暗譜演奏

  

「コーロ・こせやま」第8回演奏会 

 

 

 

 

 

写真は当日のパンフレットからスキャンした前回のもの。メンバーはほぼ同じです、当日の写真が送られたら差し替えます

 

 

 

ガイスマで大活躍すること子岐子さんが責任者を務める「コーロ・こせやま」(共立女子大合唱団OG)の演奏会を聴いた。(1111日・横浜みなとみらい小ホール)

 

今回も当然のように4ステージを全員暗譜で、19人の声が見事に一つになって声量豊かに会場に響き渡った。一人一人が全力でひたむきに歌った。最後は会場の全てのお客様が熱演を称え、最高に暖かい雰囲気に包まれた。

 

この合唱団の魅力は「暖かい心」にあるといつも感じる。打ち上げでも、多くの人達が暗譜演奏を称えたが、私は彼女たちにとって暗譜は当然、暗譜で歌うからこそメンバー同士はもちろん、会場との素晴らしく暖かい一体感が醸し出されることを熟知している。そんな合唱団であり続けることが彼女たちに共通したコンセプトだろうと思う。当然ながら、それを可能にするのは十分過ぎる練習しかない。今回もものすごく頑張って練習したな!と感じたし、これは完全なチームワークがなければ現実のものにならない。

 

 今回も素敵なステージ構成だった。3ステージは私自身も男声版で歌った経験があるので、特に興味深く聴いた。林光編曲の「日本叙情歌集」は多くの合唱団が取り上げる誰でも知っている曲集だが、素直にのびのびと心暖かく歌い、男声版を歌った私は“負けたな!”と感じた。

 

 「海鳥の詩」(広瀬量平曲)は女声版を初めて聴いた。内容的にも男声の曲(オリジナルは混声)だと思っていたが、声量豊かに力いっぱい熱唱した。私自身も暗譜に苦労した経験がある作品で、この日も若干のフライイングがあったようだが、暗譜で歌えばこその迫力・情感が素晴らしかった。少人数の女声でこの深い作品をここまで表現したことを高く評価したい。

 

 「花に寄せて」(新美徳英曲)は私のとても思い入れの深い作品で、母に捧ぐと副題がついた最終曲を本番で歌いながら不覚にも涙を流したことがある。身体の自由を失った星野富弘は様々な素朴な花が懸命に生きている姿を淡々と生き生きと詩に描いたが、心の中にある星野の思いを素晴らしい曲の中でどう表現するか? さすがにベテラン指揮の中村氏は淡々と歌わせながら、そんな奥深い世界を見事に引き出していた。欲を言えば、もう少し詩を語る意識を全員で共有できればとも感じたが、この作品を見事に歌ってくれたことを感謝したい。夢心地で聴いた。

 

 最終ステージのポップス「映画音楽集」は私の大好きで得意な分野。知っている曲が次々に歌われるので客席もノリにノッていた。お堅い合唱団はなかなか歌わないが、今後とも大切に歌って欲しい。出来れば若干の演出も入れて・・・。余談ながら、エターナリーは私の高校時代に英語で全曲を覚え(I`m loving you eternally...)、合唱部の練習前に特定の女性を意識して弾き語りをしたことがある。その後日談はお酒でも誘ってくださればお話します。ポップスは1曲1曲に歌う人聴く人それぞれの甘い思い出がある。

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早稲田グリ-が初めて小林研一郎(当時32歳)指揮で歌った三木稔「レクイエム」(1972年)のソリストであった中村義春指揮者はますます若々しく、福井香織指揮者はより魅力的になり、メンバーと一体になって美しいピアノを奏でた宮尾美保さんの優しさ、そして何よりもメンバー全員の輝き。打ち上げに参加した男性は殆どが稲グリ関係者だったが(こせやまメンバーより多い!)、彼女たちの音楽と人柄の魅力だろう。(徳田浩)

最終更新日 ( 2015/12/20 日曜日 11:26:38 JST )