【6月30日】圧倒的な競演 64回東西四連演奏会
作者 webmaster   
2015/07/01 水曜日 02:46:42 JST

 「ビッグ4」健在を強力にアピール 

64回東西四大学合唱演奏会(6月28日・すみだトリフォニー大ホール)は各校とも意欲的な作品を熱演し、出色の演奏会だった。かつて「ビック4」を自称した頃を彷彿させる充実した好演・名演が続いた。伝統の4校とも、毎年この演奏会には総力を結集して臨む。それぞれが長い伝統を背負った若者たちが、男声合唱にかくも素晴らしく思春を燃焼させる姿を、心から頼もしく羨ましく感じた。思えば私が早稲田グリー1年生の時から続いているが、一度もマンネリに陥ることなく毎年新たな進化を遂げていることが凄い。 

幕開けは同志社グリーによる男声合唱のための「ラプソディー・イン・チカマツ」曲:千原英喜)。44名がステージいっぱいに広がって見事な歌・パーフォーマンスで披露。終盤、ジャケットをパッと脱いだら青赤のハッピ姿で、聴衆を驚かし魅了した。エンディング・ポーズも見事に決まって客席から「ブラボー!」の声。ただジャケットをそのままステージに残して退場。飛ぶ鳥あとを汚したか? 

続く慶応ワグネルは、洗練されたハーモニーによるエスプリに富んだフランス作品を圧巻の演奏で感嘆した。いつもながら発声の統一が見事で、今年も伝統の慶応トーンを響かせた。ソリストがまた抜群。六連より人数が多いと思ったら1年生が12名加わり(計46名)、短時間で先輩たちと見事に一体化した1年生に大拍手を送りたい。

 休憩後はまず関学グリーが登場。メンバー76名の威容(今年の最多)で風格も黄金時代を思い出させた。一人一人が力強いヴォリュムで難曲のトリミスを見事に歌い切り圧倒された。凄かった。練習量が伺えた。ピアニッシモ部分でもう少し透明な響きがあればなお良かったか。二人のソリスト、難曲だけに大賞賛もの。 

早稲田グリーは幹事校の特権(?)で30分余の「土の歌」全曲を演奏(2年生以上の56名がオンステ)。3年前に東京OB六連で、我々稲門グリーが時間の制約のため2曲省略して演奏したが欲求不満が残っていた。久しぶりにこの名曲を全曲聴けて嬉しかった。戦後70年に相応しい選曲だった。全体の調和が実に見事な演奏で、ワセグリが落ち着いた部分を極めて丁寧に歌ったことに驚いた。叫びの部分は良くも悪くも早稲田らしさを発揮。少しバスが弱かったかな? 特に第6曲目。

 今年の合同演奏は多田武彦氏の委嘱した「達治と涛聲」(詩:三好達治氏)を、山脇卓也君が暗譜で渾身の指揮で演奏。詩の内容がなかなか難解な部分があって、演奏に難しさも感じさせる骨太の作品。

文字掲載システム故障回復不可能でした!! 

回復までしばらくお休みします。【Latvija編集室】

※悪戦苦闘の末、やっと回復しました。ご愛読ください(7月1日)

 

「ビッグ4」健在を強力にアピール


64回東西四大学合唱演奏会(6月28日・すみだトリフォニー大ホール)は各校とも意欲的な作品を熱演し、出色の演奏会だった。かつて「ビッグ4」を自称した頃を彷彿させる充実した熱演・名演が続いた。日本の合唱界で最古の伝統を誇る4大学とも、毎年この演奏会には十分な練習で総力を結集して臨む。伝統を背負った若者たちが、男声合唱に青春を完全燃焼させている姿を、心から頼もしく、羨ましく感じた。思えば私が早稲田グリー1年の時に始まったこの演奏会、1度もマンネリに陥ることなく毎年新たな進化を続けていることが凄い。

 

幕開けは同志社グリーによる「男声合唱のためのラプソディ・イン・ブルー{(曲:千原英喜)。なかなか興味深い作品で、44名がステージいっぱいに広がって見事な歌・パフォーマンスを披露。様々な演出が続いた終盤、ジャケットをパッと脱いだら青赤のハッピ姿で聴衆の度肝を抜いた。エンディングポーズも見事に決まって客席から「ブラボー」の声。ただジャケットをそのままステージに残して退場。飛ぶ鳥、あとを残したか?

 

続く慶応ワグネルは、洗練されたハーモニーによるエスプリに富んだフランス作品(プーランク他)を圧巻の演奏で感嘆した。いつもながら発声の統一が見事で、今年も伝統のワグネルトーンを響かせた。ソリストがまた抜群。5月の六連より人数が多いと思ったら一年生が12名が加わり計46名。短時間で先輩たちに見事に一体化し1年生に大拍手を贈りたい。

 

 

休憩後はまず関学グリーが登場。メンバー76名の威容(今年の最多)で、風格も黄金時代を彷彿させた。伝統の調和のとれたハーモニーを超えて、一人一人がヴォリュム豊かにトルミスの難曲を見事に歌いきった。ハードな練習量が伺えた。迫力満点だったが、ピアニッシム部分でもう少し透明な響きがあればなお良かったか? 2人のソリスト、難曲だけに大賞賛もの。

 

早稲田グリーは幹事校の特権(?)で、30分余の「土の歌」(曲:佐藤真)を全曲を演奏。2年生以上の56名がオンステ。3年前のOB六連で我々稲門グリーが時間の制約で2割愛して演奏、欲求不満が残っていた。久しぶりにこの名曲を全曲聴けて嬉しかった。2008年に早稲田グリーが作曲者に男声版編曲を依頼したものだが、戦後70年に相応しい選曲だった。全体の調和が実に見事な演奏で、ワセグリが落ち着いた部分を極めて丁寧に歌ったことに驚いた。叫びの部分は良くも悪くもワセグリらしさを発揮。ベースが少し弱かったかな?特に第6曲で。

 

今年の合同演奏は多田武彦氏に委嘱した「達治と濤聲」(詩:三好達治)を山脇卓也君が暗譜で渾身の指揮で演奏。詩内容がなかなか難解な部分あって、演奏に難しさも感じさせる骨太の作品。「濤聲」とは波の音、時に激しく時に静寂、海を舞台とした5曲からなり、力強く聴く者の胸に迫る。各校ともそれぞれのハードな作品の中でよく練習を重ねていて、大成功だった。ロビーでは楽譜がよく売れていた。アンコール「帆船の子」が心に染みた。【Latvija編集長 徳田浩】

 

 


 


 

「ビッグ4」健在を強力にアピール

 

64回東西四大学合唱演奏会(6月28日・すみだトリフォニー大ホール)は各校とも意欲的な作品を熱演し、出色の演奏会だった。かつて「ビック4」を自称した頃を彷彿させる充実した好演・名演が続いた。伝統の4校とも、毎年この演奏会には総力を結集して臨む。それぞれが長い伝統を背負った若者たちが、男声合唱にかくも素晴らしく思春を燃焼させる姿を、心から頼もしく羨ましく感じた。思えば私が早稲田グリー1年生の時から続いているが、一度もマンネリに陥ることなく毎年新たな進化を遂げていることが凄い。

 

幕開けは同志社グリーによる男声合唱のための「ラプソディー・イン・チカマツ」曲:千原英喜)。44名がステージいっぱいに広がって見事な歌・パーフォーマンスで披露。終盤、ジャケットをパッと脱いだら青赤のハッピ姿で、聴衆を驚かし魅了した。エンディング・ポーズも見事に決まって客席から「ブラボー!」の声。ただジャケットをそのままステージに残して退場。飛ぶ鳥あとを汚したか?

 

続く慶応ワグネルは、洗練されたハーモニーによるエスプリに富んだフランス作品を圧巻の演奏で感嘆した。いつもながら発声の統一が見事で、今年も伝統の慶応トーンを響かせた。ソリストがまた抜群。六連より人数が多いと思ったら1年生が12名加わり(計46名)、短時間で先輩たちと見事に一体化した1年生に大拍手を送りたい。

 

休憩後はまず関学グリーが登場。メンバー76名の威容(今年の最多)で風格も黄金時代を思い出させた。一人一人が力強いヴォリュムで難曲のトリミスを見事に歌い切り圧倒された。凄かった。練習量が伺えた。ピアニッシモ部分でもう少し透明な響きがあればなお良かったか。二人のソリスト、難曲だけに大賞賛もの。

 

早稲田グリーは幹事校の特権(?)で30分余の「土の歌」全曲を演奏(2年生以上の56名がオンステ)。3年前に東京OB六連で、我々稲門グリーが時間の制約のため2曲省略して演奏したが欲求不満が残っていた。久しぶりにこの名曲を全曲聴けて嬉しかった。戦後70年に相応しい選曲だった。全体の調和が実に見事な演奏で、ワセグリが落ち着いた部分を極めて丁寧に歌ったことに驚いた。叫びの部分は良くも悪くも早稲田らしさを発揮。少しバスが弱かったかな? 特に第6曲目。

 

今年の合同演奏は多田武彦氏の委嘱した「達治と涛聲」(詩:三好達治氏)を、山脇卓也君が暗譜で渾身の指揮で演奏。詩の内容がなかなか難解な部分があって、演奏に難しさも感じさせる骨太の作品。各校とも自分たちのハードな作品の中でよく練習を重ねていて、大成功だった。ロビーで楽譜がよく売れていた。アンコール「帆船の子」が心に染みた。【Latviya編集長 徳田浩】

 

 

 


最終更新日 ( 2015/12/20 日曜日 11:33:45 JST )