【3月3日】心温まるパーティでした 黒澤歩さん出版記念
作者 webmaster   
2014/03/05 水曜日 19:18:26 JST

   心温まるパーティでした!! 

「ダンスシューズで雪のシベリアへ~あるラトヴィア人家族の物語」

  出版記念祝賀会(33日・ラトビア大使館

   

  大使が花束を贈り祝福

 お馴染みの黒澤歩さんが10年がかりで翻訳に取り組んできた「ダンスシューズで雪のシベリアへ~あるラトビア人家族の物語」が、このほど㈱新評論から刊行され、そのお祝いの会が33日、ラトビア大使館で行われた。ノルマンス・ペンケ大使夫妻が主催し、日頃から黒澤さんと深い親交があり今回の労作を高く評価する友人知人など30名が出席、それぞれが黒澤さんに心からの祝意を表したが、黒澤さんの人柄を象徴するような心温まる素晴らしいパーティだった。当協会からも藤井威会長以下約10名が出席した。 

  

 祝賀会を主催したペンケ大使夫妻と黒澤さん

 著者のサンドラ氏、ビデオメッセージで大きな喜びと深い感謝を表明 

著者のサンドラ・カルニエテ女史は元外務大臣で現在もEU議会議員の要職にあるが、冒頭にペンケ大使が、サンドラさんの多方面にわたる活躍ぶりを紹介。さらに、この本がラトビア人にとって如何に価値あるものかを語り、今回、日本語版誕生に尽力した多くの人に謝意を表した。続いてサンドラさんご本人が、この日の為に特別に製作したビデオメッセージで、喜びと深い謝意を表した。以下はその抄録。黒澤さんの長期間に及び翻訳作業の限りない価値が浮き彫りになった。全てこの日の主人公である黒澤さんご本人が通訳も務めた。

 

  

ペンケ大使の挨拶 通訳も黒澤さんが務める

    

ペンケ大使「今日は日本とラトビアの間を結ぶ400ページの膨大な本が誕生した記念すべき日で、お集まり頂いた皆様に深く感謝し、共に喜びを分かち合いたい。著者のサンドラ・カルニエテさんはラトビア人で現職の政治家だが、多方面に多彩に活躍されている方で人生もいろいろ経験されている。これは全でのラトビア人が経験したことと同じで、ラトビア人一人一人の人生のストーリーを見事に記された。先ず著者と翻訳者の黒澤さんに深く感謝したい。編集出版を担われた新評論社武内さん、重要な資金面で協力された北海道東川町の皆さん、さらに今日お集まり頂いた皆さんをはじめ、この出版に直接的・間接的に方々にお礼を申し上げる。なお、今年の中頃にサンドラさんを日本にお招きして再度の祝賀会とレクチャーなどを計画している」。

 サンドラ・カルニエテさん(ビデオメッセージ) 「親愛なる大使閣下、今日お集まりいただいた親愛なるラトビアの友人たち、私の著書「ダンスシューズで雪のシベリアへ」が日本で新たな生を受ける今日というこの日は、この上ない喜びの一日です。ラトビアがソ連に占領されて以降、私の書籍のように実に多くの人が被った苦しみを日本の皆様に理解いただけることを期待しています。シベリアの強制収用所で生き抜いた経験がある日本であるからこそ、きっと分かってもらえると信じています。私は共産主義の非人間的な面を暴きたかったからこの本を書きました。罪深い全体主義体制が何をしたかではなく、人が存在するからこそ罪を犯したのです。この本の翻訳は日本におられる多くの友人たちの支援なしにはありえませんでした。まず初めに2004年に、いつ誰が出版するか、何も当てのない時から翻訳作業を始めた黒澤歩氏に感謝します。次に欧州日本大使でおられる塩尻小次郎氏がEU事務局長に私の本を紹介してくださったことを深く感謝申し上げます。出版への働きかけと、資金集めの意識を高めるために奮闘された方々にお礼申し上げます。重要な資金を下さった東川の松岡一郎町長と東川ラトビア交流協会、出版して下さった㈱新評論の武内一幸社長に最大の感謝を申し上げます。またラトビア文化財団とラトビア文芸協会にも支援を頂きました。さらに日本ラトビア音楽協会、在日ラトビア大使館のかけがえのない友好のプロジェクトへの側面的支援にお礼申し上げます。今、この会にお集まりの皆さんと私も心を一つにしています。ここにお集まりの親愛なる皆様に心から感謝の気持ちを捧げます」。(写真はビデオメッセージのサンドラさん)1952年生まれ。人民戦線の活動家としてラトビアの独立運動を主導したのち、在フランス大使、外務大臣を歴任、現職は欧州議会議員。

  最後に、著者のサンドラさん、訳者の黒澤さんとも親交がある藤井威日本ラトビア音楽協会会長(元スウェーデン・ラトビア大使)が次のように祝意を表した。400ページの大冊だが、翻訳が素晴らしくて、大変読みやすくて一気に読了した。面白く、もの凄く分かりやすい。ラトビア人がどんなに苦労を重ねて、今日のラトビアを作り上げたかがよく分かる。私自身もかつてラトビアの苦難時代の歴史を書いたが、この本を読んでもっと深く書くべきだったと痛感した。サンドラさんは独立後の最初の内閣の時代に外務省に入られた外務省の生え抜きで、外務大臣時代の2002年から良く知っている。両親それぞれの一家が別々にヒットラー、スターリンの圧政を受けたが、たまたま両親がシベリアで知り合って結婚、サンドラさんはそのシベリアで生まれた。無条件で行う全体主義の圧政システムをこれほど明瞭に描かれた本はない。重ねて言うが、とにかく翻訳が素晴らしい。是非多くの日本人に読んで欲しい」。

  

 

 黒澤さんを囲み心温まる談笑の輪が広がる

 

 ※新評論の武市一幸社長から編集室に図書が届き、編集子は今夜から熱独させて頂く。祝賀会で同社長と懇談し、この本へ熱い想いを実感した。私自身も新聞社時代に本作りを経験しているだけに、完成までの大変なご苦労(特に採算面)を十分理解できる。出来るだけ多くの方々に読んで欲しいと思う。私自身は同社から刊行された黒澤さんの「木漏れ日のラトヴィア」「ラトヴィアの蒼い風」を読んで、ラトビアの魅力に触れラトビアが大好きになった記憶が鮮明にある。今回の「ダンスシューズで雪のシベリアへ」読了後、内容に関して改めてこのサイトで紹介したい。【Latvija編集室 徳田浩】
最終更新日 ( 2014/03/05 水曜日 19:25:42 JST )