【2月4日】ブラーボー ヴォーカルアンサンブル歌譜喜演奏会
作者 webmaster   
2014/02/03 月曜日 23:27:54 JST

6人の完璧なアンサンブル 合唱の常識を超えた次元の違う演奏 

 芸大声楽科卒中心の若い俊英に早稲田グリー卒の星・佐藤拓君が加わった、ヴォーカル6重唱(女声2・男声4)「歌譜喜2nd concert」が131日、五反田文化センター音楽ホールで行われ、第1回を遥かに上回るパワーアップぶりを披露して聴衆を魅了した。一人一人が卓越した歌唱力と魅力的な声の持ち主だが、この6人が見事な一体感で、桁外れに美しいハーモニーとサウンドを作り上げた。

  メンバーは、佐藤拓(テノール・当協会合唱団「ガイスマ」などの指揮者)、谷本喜基(バリトン・稲門グリーシニア会伴奏者)、田村幸代(ソプラノ)、小林祐美(メゾ)、富本泰成(テノール・主宰者)、松井永太郎(バス)の6人。佐藤、谷本両君には日頃から筆者もお世話になっている。

 1ステージ「Covers」は、世界的な人気を誇るキングス・シンガースなど海外の一流アカペラグループのカバー作品7曲を演奏。時には超絶テクニックを必要とするアレンジを、寸分の狂いもなく完璧なピッチとリズムで再現し、さらに歌う楽しさを満喫しながらのパフォマンスにただただ感嘆した。既に元歌を、音楽性も含めて超えていると感じた。 

2ステージ「Vocal Instrument」は器楽のために書かれた音楽のスキャット演奏。中でも「セビリアの理髪師」序曲は秀逸。さらにコスチュームで客席を笑せる人気ゲームのスクウェアエニックス「Final Fantasy」では、寸劇も加えて完全に全聴衆の心を掴んだ。

 一転して第3ステージは、日本の合唱曲を演奏。ここまで完璧に歌えるものか。この日の為に3人の若手作曲家に委嘱した各作品が格別に素晴らしかった。何れもメンバーの芸大仲間(佐藤深雪、柳川瑞季、山中敦史)で、これら若い音楽家群像の才能を心から頼もしさを感じた。佐藤の「あいしてる」の美しさに思わず涙がこぼれた。見事な企画を激賞したい。

 多彩なレパートリーと一人一人が持つ優れた音楽性で、合唱の常識を超えた、次元の違う演奏会だった。音取りも絶対音感の若者たち。客席250のこじんまりしたホール、満席の聴衆はいつまでもブラボーの拍手を送り続けた。もっと多くの人に聴いてほしいとしみじみ感じた。それぞれが超多忙の日々を送っているようだが、この「歌譜喜」の練習と演奏にもっと多くの時間を割けば、国内のみならず海外でも高く評価されるヴーカルアンサンブルに成長するに違いないと確信した。直ぐにでもまた聴きたい【Latvija編集長 徳田浩】

最終更新日 ( 2014/02/05 水曜日 09:22:43 JST )