【8月11日】情報断片 お江戸コラリアーず演奏会など
作者 webmaster   
2013/08/11 日曜日 20:59:32 JST

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                                                                Latvija編集長 徳 田 浩

  文字通り酷暑列島の日本です。茹だるような日々が続きます。このサイトを開いてくださる皆様に、心から暑中お見舞い申し上げます。一方で西日本や東日本では“経験ない豪雨”(気象庁)で大きな被害。この大雨も東京の水がめには降らず、半世紀前の老“降雨推進兵器”が奥多摩のダムに雨を降らせようと努力しています。国の借金が、予定されたペースで一気に1000兆円を突破しました。自民圧勝の政界ですが、子供や孫達が担う日本の将来を思うと、とても不安な気持を隠し得ません。そんな中、私は7月下旬に夏カゼをひいて3日ばかりぐったりしてしまいました。それでも、稲門グリークラブのサントリーホール演奏会(922日)の猛練習に励み、数々の演奏会に出かけたりしながら、音楽を心ゆくまでエンジョシし、知人との交遊を楽しんでいます。久し振りに短信をお届けします。(Latvija編集室 徳田浩) 

お江戸コラリアーず第12回演奏会(84日・文京シビックホール) 当協会合唱団「ガイスマ」創立時から育成してくれた愛すべき後輩・山脇卓也君が主指揮を務める、全日合唱コン金賞常連のこの若々しい男声合唱団は、今年98名の大合唱団に成長し、文京シビックは超満員(1664名)の聴衆で膨れ上がった。松下耕「Everyone Song」のオープニングに始まる、環太平洋諸国の合唱曲を集めた第1ステージ、第2ステージのメンデルスゾーンの男声合唱曲集「Vier Lieder」、信長貴富の力作「特攻隊死者の手記によるFragments」(シアターピース)、の第3ステージ、そして最後に須賀敬一氏客演指揮による髙田三郎「水のいのち」と並べたプログラミングが実に見事で、この合唱団が持つ力、魅力を遺憾なく発揮した。先日、小林研一郎氏の指揮で歌った私にとって、髙田三郎の直弟子である須賀先輩の「水のいのち」はとりわけ興奮して聴いた。須賀さんはワセグリの1年先輩で、私が3年の時の学生指揮者。60年過ぎた今も「いそべとし男声合唱団」で指導を仰いでいる。少し声が若すぎるかな、と感じる部分もあったが、これぞ髙田三郎「水のいのち」の真髄と言える完璧な演奏。4曲目の二群合唱「海」はフォーメーションを素早くTTBB BBTTに変え、そのフォーメーションのままで最終曲「海へ」を感動的に締めくくった。翌日、須賀氏から電話で感想を求められたが、フォーメーションに全く違和感はなかった。(ちなみに小林氏指揮で演奏した時は最後まで同じ立ち位置で歌った。)アンコールの「くちなし」(髙田三郎曲・須賀敬一編曲)に涙が出た。一つ辛口を言えば、人数が増えたこともあって言葉がしっかり伝わってこなかった。特に2ステのドイツ語は、好演だったが独特の子音が伝わらなかった。30名のメンバーでスタートしたこの合唱団(聴衆300人)、初心を忘れてはならないと、ふと思った。もう一つ苦言。開演前の地下2階から昇り降りする長蛇の列に我々高齢者はマイッタ!聴く前に汗だくになりぐったりした。来年(84日・今年と同じ文京シビックホールで開催決定)は必ず指定席にしてください。 

ネイキッド・シンガース東京公演(89日・音楽の友ホール) 小林研一郎氏指揮の稲門グリークラブ「水のいのち」の練習指揮を見事に務めた佐藤拓君が、若いプロの歌い手8名で結成したフレッシュなアンサンブル。音楽の持つ未知な力を信じて、東北の被災地を巡るために2ヶ月前にスタートしたが、この日が打ち上げコンサート。アンサンブルとしては練習不足では?という若干の懸念は、最初の「ぜんぶ」(曲:相澤直人)のハーモニーで吹っ飛んだ。抜群の声・歌唱テクニックを持つ8人のソリストが醸し出す独自のサウンドに魅了された。全員が素晴らしい歌い手、ビブラートが全くない美声・声量と完璧なピッチで、とびきり秀逸の響きを生んだ。ハモリも熟知している。加えて、激しい動きも入れるパフォーマンスが極めて自然に出て聴衆の心を完全に掴む。ブラボー!の連続で、アッという間に2時間が過ぎた。前半は東北民謡やアレルヤなどの完成された歌唱とハーモニーをしっとり聴かせ、後半はミュジカルナンバーやテレビで人気の「グリー」メドレーなどなど、欧米の洒落たコーラスのテクニックも存分に披露した。ビートルズナンバー「オブラディ・オブラダ」にはノックアウトされた。「私が際立った最年長、合唱経験なしが二人います」と佐藤君。若さが何とも羨ましかった。このグループの今後の予定はないという。しっかり練習時間を取ったら凄いクループになるだろう。こんな優れたグループがなかなかメジャーになれない日本の音楽業界を何か侘しく感じた。この日も客席は空席が目立ったが、もっと多くの人に聴いてもらう方法はないものか。ブラボー佐藤君! ガイスマの指導を7月で勇退した山脇君の後を、この佐藤君が継いでくれている。 

未来への伝言201389日・六本木ヒルズハリウッドホール) この日は演奏会のハシゴ。神楽坂から茅場町経由で六本木に向かった。暑さが厳しく、地下街で焼き鳥・ビールで喉をうるおして会場へ入ったら既に超満員だった。「未来への伝言」は、被爆ピアノを軸に、人間国宝杵屋淨貢(旧巳太郎)、ピアノ・作曲谷川賢作、ヴォーカルおおたか静流、朗読飯島晶子、クラーク記念国際高校生らが毎年8月に、核の根絶・世界平和を発信し続ける価値あるコンサートで、2009年の模様を当サイトに紹介し、今もアクセス数ベスト5にランクされている(表紙右側の人気記事ベスト5をクリックすれば見られます)。今年は、ノルウェーから「PIKADON MUSIC DANCE & FIILM」(平和をパフォーマンスで訴える作曲家マグナム・オールが率いる歌手、ダンサー、60名の聖歌隊のチーム)が来日して大いに盛り上げ、世界へ力強いメッセージを発信した。若い高校生がステージからはみ出て躍動し、4歳児を含むZEROキッズが、「祈り」を熱唱する。一方のノルウェーの聖歌隊は中高年が中心で、共通の目標「未来への伝言」に向けて、文字通り、地域・世代を超えた大きな広がり、一体感が感動的だった。 

ノンフィクション作家・富永孝子さん 目下私はコバケン(小林研一郎)が振る稲門グリークラブの練習(暗譜)、当日のパンフ編集にかなりのエネルギーを注入しているが、昨日、旧友の作家・富永孝子さんから電話が入った。“S2枚お願いね”。さらに、演奏会のことから共通の知人の消息などを話し合い、心豊かな時間を過ごした。文藝春秋最新号(9月特別号)に同氏の最新作「ヤルタ会談の娘たち」(11ページ)が掲載されている。日本人の運命を狂わせた「ヤルタ密約」が結ばれた会談で、ルーズベルト、チャーチルの娘が、心身の衰弱に悩む両首脳を支えた背景・状況を克明に記す。誰も知らない70年近くも前の戦争秘話を見事に描いたドラマに感嘆させられた。我々年代も若い人も是非ご一読を。 

サントリーホール本番まであと40日。練習は最高に盛り上がっているし、推進する若い幹事団のチームワークが凄い。“最高の演奏”と“満員の客席”が共通の目標。私自身も現役時代にタイムスリップした気持ちになっている。毎日新聞の後輩に頼んで、818日付け首都圏情報「遊ナビ」に案内を掲載してもらうことにした。演奏曲は、三木稔「レクイエム」と髙田三郎「水のいのち」で、コバケンとワセグリOBが愛唱歌を楽しむアンコールステージも予定している。皆様、是非ご来場いただいて、私どもの歌う喜びと感動を共有してください。お問い合わせは私宛に(電話とファックス:0332030363Eメール: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。観覧するにはJavaScriptを有効にして下さい      

最終更新日 ( 2013/10/14 月曜日 20:19:19 JST )