【6月1日】超満員 山本健二傘寿記念リサイタル
作者 webmaster   
2013/06/07 金曜日 15:23:08 JST

衰えない美声と圧倒的な日本語表現力 超満員の聴衆が“最高の演奏会!”と称賛 

5月29日 東京文化会館小ホール

  バリトン歌手の山本健二君(当協会会員)が、長い音楽生活の集大成と位置付けた「傘寿記念チャリティーリサイタル」は、早々と650の客席が立錐の余地なく埋まり圧倒的な成功を収めた。この日は彼自身が長年にわたって研鑽し続けたお馴染みの日本の名曲にイタリア歌曲を加え、11曲に薀蓄に富んだ解説を加えながら演奏した。とても傘寿とは思えない艶のある美声と歌唱はまさに円熟の極致だった。特に日本の歌は、それぞれがここまで奥深い作品だったのかと感嘆させられる名唱を披露した。東京文化会館のコンシュルジュチーフを務める音大出身の女性は「超満員の温かいお客様と素晴らしい演奏で最高の雰囲気だった。小ホールでこんな演奏会は珍しく、久し振りに興奮した。日本語の一語一語を大切に歌う山本さんの表現に感嘆した。本当に素晴らしかった」と舌を巻いていたが、耳が肥えた専門家にも最高の評価を得た演奏会だった。 

  この日は「この道」「からたちの花」「城ヶ島の雨」「帰去来」「椰子の実」「桜貝の歌」「あざみの歌」「芭蕉布」「トスティのセレナータ」「帰れソレントへ」「マンマ」「荒城の月」「初恋」「落葉松」などなどお馴染みの曲を演奏し、長年の山本ファンにはたまらない2時間だったよう。同年代のあるファンは「現在は雨後の筍のように歌が乱発され次々に消えてゆくが、昔の子供たちはどの曲もしっかり覚えて育った。そんな歌が次々に見事に歌われ、今日まで生きていて本当によかった」としみじみ述懐していた。私たちも歌い続けたに日本の名曲は文字通り永遠に輝き続けていることを実感した。

   賛助出演した「サウンド友」は予想外に好評を得た。私を含む早稲田大学グリークラブ同期(1956年卒)が少しでも山本君を盛り上げられればと願って出演を決めたが、正直なところ、逆に足を引っ張ることになるのではないかと、最後まで心配した。山本君を含む11名の年齢合計は880歳で、中にはコーラスから遠ざかっているメンバーもいて前日まで猛練習した。同期だけで出演した心意気で、同じ同期の作曲家、鈴木淳君の作品3曲を、同君の指揮で夢中で歌った。「友」「立ち止まればいいさ」「一人モノローグ」。歌の素晴らしさも成功の一因だった。61年前、早稲田に入ってグリークラブに入部したことで、歌う喜びを満喫し素敵な生涯の友を得た幸せをしみじみ感じた。

   最後に、グリークラブの1015歳後輩たちが結成した「倶楽部グリー」有志をステージ上に呼び、山本君の指揮で校歌や応援歌を歌うサプライズを用意した。そのメンバーの一人であるOB会会長の前澤勝君(1967年卒)は「演奏の出来と言い、観客の動員力と言い、最高の演奏会で感動しました。山本さんの歌唱力は傘寿とは思えない見事なもので、大人の歌手の魅力に溢れていました。サウンド友は同期の仲の良さと山本さんをバックアップしようとする皆さんの温かい友情を感じました。10年後に傘寿を迎える古稀世代としては何とも羨ましい演奏会でもありました」と先輩をしっかり持ち上げてくれた。同じメンバーでこの日の総合司会を務めてくれた南方昭彦君(1972年卒)が会場を大いに盛り上げてくれた。感謝したい。【徳田浩記=Latvija編集長】

※チケットが早々と完売になり、多くの友人からの要請に応えられなかったことをお詫びします。

 ※ステージ写真は後日掲載しますが、代わりに「サウンド友」家族の打ち上げでホッとした表情をアップしておきます。 

      

最終更新日 ( 2013/06/08 土曜日 09:32:43 JST )