【1月18日】大塚前ラトビア大使とバグパイプ
作者 webmaster   
2012/01/18 水曜日 18:00:49 JST

楽しみな「歌う大使」大塚理事のバクパイプ演奏 25日新年懇親会 

  25日に開催する第8回総会・新年懇親会(神田・学士会館)で、大塚清一郎前駐ラトビア大使(当協会理事)がご令息と共にバグパイプを演奏される。同氏が退官後(2008年)に出版された「キルトをはいた外交官」(ランダムハウス講談社)によると、初代エディンバラ総領事として赴任中にバグパイプの魅力に取り付かれ、その後ニューヨークへ再赴任した時、当時8歳の子息・清輔君と本格的レッスンを受けた。

  元々、初めてニューヨークへ赴任した時、「トリオ・ロス・ディプロマティコス」と名付けたグループを編成して仕事のかたわらプロはだしの活動を続け、“シンキング大使”の異名を持つだけに音楽のセンスは抜群で、バグパイプもぐんぐん上達した。そして遂に1999年、同氏が招聘した東京バグパイプ・バンド一行32名と共に全米最大・最古のセント・パトリック・デイ・パレードに招待出場。バグパイプだけでも約60のグループが参加する大パレードで、全米各地・世界中から数十万人の観衆が集まる。さらに驚くべきことに参加総数約200のバンドの中から「最優秀バンド」に選ばれた。もちろん大塚氏が代表して、丸い、大きな、ずっしり重い、金色に輝く優勝トロフィーを受け取り、各メディアからも大取材を受けた。

 春風や親子の絆バグパイプ 父と子の汗と涙の特訓の日々がこの本に詳述されている。異郷の地で、バグパイプを通じた父子の対話・強い絆の部分が何ともうるわしい。当時9歳だった清輔君の上達は目覚しく、早々に父を超える部分もあったとか。成人を過ぎた子息とのデュオは何とも楽しみだ。キルトをはいた服装にも注目。

  『キルトをはいた外交官』“笑いは世界をめぐる”とサブタイトルがついたこの本は、大使の本としては型破りの一冊。読みながら何度も爆笑した。「“ジョーク”は“文化”からにじみでる“体臭”」と記す通り、外交舞台で次々にジョークを披露し友人の輪を広げる。「いざという時に頼りになる信頼できる友人の輪を広げるのが要諦。ユーモアを共有してこそ本当の友人が出来るのではないか。ジョークは外交の第一歩」と述べる。もう一つは音楽。「巷ではやっている歌を勉強すればその国の文化が見えてくる」と。内戦の国スリランカへ大使として赴任した時には、流行の歌をフルコーラス暗記して披露し、すさまじい反響で国中に「歌う大使」として知られる存在になった。内容は、1ニューヨ-クの芸能外交官、2スコットランドのユーモア、3東南アジアはジョークの宝庫、4父と子のバグパイプ、6内戦の国スリランカで、スウェーデンの憂鬱とユーモア、7ミネソタの青い空の全7章。是非ご一読を(ランダムハウス講談社20087月刊・1600円)。【Latvija編集室 徳田浩記】 

 大塚清一郎  1942年東京生まれ。高校時代、米国ミネソタ州の高校で学び、66年一ツ橋大学卒業後外務省入省。文化交流部長。初代エディンバラ総領事、ニューヨーク総領事(大使)、ハーバード大学客員研究員、駐スリランカ大使、駐スウェーデン兼ラトビア大使を歴任。 

最終更新日 ( 2012/01/18 水曜日 18:03:15 JST )