【10月12日】正しいマダマ・バタフライ(編集室便り16) |
作者 webmaster | |
2010/10/12 火曜日 17:32:04 JST | |
《情報断片》 Latvija編集長 徳田浩 干天の慈雨 岡村喬生副会長の大事業、「正しいマダマ・バタフライ」のイタリア公演について、これまで協会ニュース「Latvija」やホームページ上でも紹介しましたが、着々と準備が進んでいます。岡村氏は半世紀近くも、このオペラの元台本やト書きにある、屈辱的とも言える日本誤認を絶対に直さなければならないと主張し行動し続けてきました。無視されても諦めずに活動を続けた執念が実り、いよいよ来年(2011年)8月6日、11日、18日にイタリア、トッレ デル ラーゴの新野外湖畔劇場(3200席)で上演されます。もちろん、岡村氏の演出で、ト書きのみならず楽譜に印刷されていた台本まで訂正した改訂版です。蝶々さんなど日本人出演者の国際オーデションも東京で4日間行われて、最も相応しい出演者を選出し9ました。このオーデションはすごい盛り上がりで、テレビでも取り上げられました。朝日、毎日、読売、日経、産経、東京などの主要メディアも、この上演の意義を高く評価し、揃って大きく紙面を割きました。学生時代から岡村さんの牽引力・バイタリティは桁外れでしたが、本当に岡村さんしかなし得ない快挙です。来年はいよいよ80歳、年々若くなる気がします。凄い人がいるものです。 ところが今、岡村さんは、最も不得手な資金集めに苦闘しています。この事業には国際交流基金も積極的な支援をしていますが、日本側が6000万円を負担しなければならない巨大なプロジェクトだけに大変です。岡村さんは自ら記した募金趣意書をこんな言葉で締めています。「資金を集める慣れない努力を続けているとき、マスコミの報道を見た心ある方々から、自発的に浄財が集まりはじめた。この厳しい経済状態の中で、まさに干天の慈雨である! 我々日本人は、自国についての過ちは毅然と正す国民である。ということを世界に示し、そして、これまで輸入一方であった日本のオペラ文化を、世界に輸出する嚆矢とする為に、この又とない機会を成功に導けるよう、伏して皆様のご援助をお願いする次第である」。 過日の加藤専務理事との談笑(編集室便り15)でも、このことが話題になりました。“俺達に金があればなあ…”と嘆きながらも、“例えばグリークラブOBたちが、岡村先輩を激励しようという強い気持ちで一丸になれば、塵も積れば山になる。しかし、その為には何人かの呼びかけ人が必要だな”と話し合いました。一人一人がささやかでも「干天の慈雨の一滴」になって、岡村先輩に敢然とイタリア公演に臨んでもらいたいなと、しみじみ感じた次第です。 ※マダマ・バタフライ出演者オーデションの模様が10月30日14時30分から再放送されます(日本テレビ・所ジョージ「笑ってこらえて」-バタフライ・プロジェクト-)。 同期の仲間 私自身は岡村さんから薫陶を受けたグリークラブの2年後輩ですが、同期の仲間が今年は箱根に集いました。岡村さん同期の学生指揮者・木下林策先輩やガイスマのメンバーでもある浅妻勲先輩、一年後輩のボニージャックス・玉田元康君らも参加してくれて盛会でした。同期の一体感は格別ですが、我々同期には声楽家で指揮者の山本健二や、作曲家の鈴木淳らがいて、健康的にも元気いっぱいで、毎年、賑々しく旅行をして友好を深めています。ガイスマの多賀清雄も同期です。今年はさらに12月12日に東京で、同期のミニコンサートを開くことにしました。1月に同期6人で、鈴木淳らが主催する合唱コンクールに出場して好評を得たことがきっかけになりました。愛唱歌の他に、新作を含む鈴木の作品を3曲歌うことにしましたが、箱根では、宴会の後、学生時代さながらの猛練習をやりました。仲間であることを差し引いても、本当に素晴らしいメロディーを書く男です。良い仲間たちと生き続けた幸せをしみじみ感じました。このページを見たら岡村先輩の件、よろしくな。 遷都1300年 最近2度ばかり、故郷・奈良へ行く機会がありました。今、奈良は遷都1300年で大賑わいです。賑わいの中に身を置きながら、奈良の素晴らしさを多くの方々に知って頂けることを本当に嬉しく思いました。私は奈良に生まれ高校まで奈良で過しましたが、今回は久し振りにたっぷり散策する時間も持ちました。遷都1300年式典で歌う合唱の練習場も覗いてみました。凄い熱気でした。式典が行われる平城宮跡には大極殿が見事に復元されていました(写真)。ただ、奈良へ行く度に寂しさも味わいます。中学・高校時代の親友が一人二人と他界しているからです。今回は中学・高校から大学グリークラブを通じての親友・樋口豊昭君夫妻の墓前で、いろいろなことを話してきました。私にとって奈良は、文句なしに世界一大好きな場所ですが、「諸行無常、是正滅法、生滅滅巳、寂滅為楽」の意味をしっかり理解できる場所でもあります。 |
|
最終更新日 ( 2010/10/19 火曜日 16:41:08 JST ) |