「合唱団ガイスマの独立」に言及したガイスマ通信の記事について
作者 webmaster   
2024/02/02 金曜日 12:32:16 JST

「合唱団ガイスマの独立」に言及したガイスマ通信の記事に関する日本ラトビア音楽協会の考え方

                                     令和6年1月30日

                        日本ラトビア音楽協会会長 松原千振

 

 1月27日付けのガイスマ通信は、児玉昌久氏による記事(合唱団ガイスマは日本ラトビア音楽協会から独立した云々の内容)を掲載しておりますが、同記事は誤った基本認識に基づき、事実関係を著しく歪曲した記述となっていますので(佐藤拓氏もSNS上、同様の趣旨の記事を投稿しています)、以下において、日本ラトビア音楽協会の考え方を整理して申し述べます。

1. 問題の発端

(1) 2023年11月30日の当協会常任理事会の席上、児玉氏が「合唱団ガイスマは独立することを幹事会で決定した」と発言したことをきっかけに、種々、事態収拾策の議論が行われましたが、結局双方の意見に歩みよりは見られず、「理事会での継続審議」と決定され、とりあえず年明けの2024年1月19日に双方の関係者が集まる「懇談会」を開催することが決定された次第です。

(2) その後、12月9日付けのガイスマ通信において児玉氏は、「自分は11月30日の理事会において越権行為により、「ガイスマは協会から離脱し独立した合唱団として活動することを宣言しました」と記述し、更に「幹事会の独断専行への批判はあえてお受けします。是非の判断は皆さんの総意に委ねます。ご承知頂けなければ幹事会は不信任されたと受け止め、辞任せざるを得ません」と書いておられます。

(3) 12月25日のガイスマ納会においては、小宮陽一氏(元ガイスマ団員、当協会専務理事)より、松原会長、小宮、神郡、大塚、植木各理事連名による文書(12月11日付け)・・・「脱退を翻意され、理事会にて、引き続き十分意見交換すること」を要請した文書」を佐藤拓指揮者の了解を得て、出席者に配布した経緯があります。同文書では、以下の通り記述してあります。

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(当協会松原会長、小宮、神郡、大塚、植木各理事連名による文書の要点、12月11日付け)

まず第一に、ガイスマの自主的運営に対し、協会は反対ではなく、むしろ賛成である点を指摘しておきます。

(イ)       ガイスマの日頃の活動は、事実上、ガイスマ自身が運営しており、協会が介入する問題ではありません。介入することは不適切なことでもあります。団員支弁の団費により運営されているいる訳ですから、協会が「運営」の実態面で関わっていることはありません。

(ロ)      但し、規約第3条第6項には、「合唱団の運営」が協会の事業として明記されています。この意味するところは、私達は、ガイスマの年次基本計画(ガイスマの企画する年次演奏会など)を「協会として把握しておく」という趣旨だと理解しております。

(ハ)      ガイスマの「自己決定権」は、あります。ただし、規約上、ガイスマは協会所属の合唱団であるとの基本的位置付けの下で、「年次基本計画」の理事会への報告は適切にして頂く必要があると考えます。

(ニ)      ガイスマの活動に対する協会側の積極的支援

「2018年の歌と踊りの祭典へのガイスマの参加」の際には、理事会は200万円の助成金を東京倶楽部より取り付け、ガイスマ団員の旅行代金、滞在費などに支弁した事実を想起して頂きたく思います。この助成金があったこからこそ、ガイスマの「歌と踊りの祭典参加」は資金的に可能となったと言っても過言ではありません。

 

(ホ)      「彼らの狙いは、ガイスマの財産と演奏会などの収益力だ」とのガイスマ通信記述

    これは、言語道断の誤解であり、協会の名誉を傷つける記述だと考えますので、この点率直に指摘しておきます。協会としては、ガイスマ主催の自主的演奏活動から生じる収益は、ガイスマに帰属するものであると考えております。

 

(4) 更に、12月25日のガイスマ納会では、一部の出席団員から、脱退に対する反対意見が述べられたため、前記1.(2)の総意は得られなかったと理解しております。また、不可解なことですが、「総意」が得られなかったにも拘わらず、「幹事会の辞任」ということもなく推移してきている現状であると理解しております。

 

2. 協会による「ガイスマ問題解決のための具体的提案」の提示と意見交換(本年1月19日の懇談会)

同懇談会の席上、私(松原)より、以下のガイスマ問題解決のための具体的提案を行いました(念のため準備した提案ペーパーを席上、児玉氏に手交致しました)。

(1)        規約第3条第6項(協会の行う「事業」と規定されている「合唱団の運営」)を削除し、新たに、「日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマに対する支援」との規定に改訂する。

(2)        ガイスマは、年間基本計画案を確定次第、理事会へ報告する。理事会は、同基本計画への支援策を検討する。

(3)        規約改定手続きを速やかに開始するため、有志理事は緊密に協力する。

 

私(松原)は、児玉氏がこの《ガイスマ問題解決のための具体的提案》を持ち帰ってガイスマ側にて検討頂けるものと期待しておりましたが、その後回答はなく、3日後の1月22日のガイスマ練習会において、児玉氏は、同具体的提案の説明を全くしないまま、出席団員に対し、「脱退に賛成か否か」などについて挙手採決を求め結論を出されたとされているようです。また、出席者の中で賛成意見、保留意見が半々、脱退反対意見1であったと承知しております。

 

3. 当協会としてのガイスマ問題に関する考え方(児玉昌久氏宛に私(松原)より発信したメール(1月25日付け))

このような経過を踏まえて、私(松原)から、(1)「合唱団ガイスマ」という名称は、使用出来ないこと。(2)「合唱団ガイスマ」は、引き続き「日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマ」として存在し続けること等を盛り込んだ以下のメールを1月25日付けで児玉昌久氏宛に発信致しました。

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児玉昌久様

協会側が誠意を以て提案させて頂いた「ガイスマ問題解決のための具体的提案」に賛同頂けないまま、

(1)一昨日加藤民子様宛てに貴殿より電話にて、「日本ラトビア音楽協会より脱退しました」云々の「脱退通告」をされ、「ガイスマ合唱団として今後活動する」云々と連絡されたとの情報に接しておりますこと、

(2)更に、直近の1月22日のガイスマ練習会において、上記「ガイスマ問題解決のための具体的提案」を全く説明しないまま、ガイスマ団員に対し、「脱退」、「保留」などの採決をされたとの情報に接しておりますこと・・・まず、以上の2点を率直に指摘させて頂きます。

このような事態に立ち至った以上、誠に残念ではありますが、協会側としての考え方を整理して率直に申し述べ、以下の3つの重要な点を明確に指摘させていただきます。

(イ) 「合唱団ガイスマ」という名称は、使用出来ないこと。

(ロ) 「合唱団ガイスマ」は、引き続き「日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマ」として存在し続けること。

(ハ)新しい 「合唱団」は、協会による各種支援は享受できなくなること。

以下、上記3点の補足説明です。

 

 (イ)       「合唱団ガイスマ」という名称は、使用出来ないこと。

「ガイスマ」は、一貫して「日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマ」です。規約には、そのような名称こそ記載されておりませんが、設立以来、慣行上、一貫して「日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマ」として活動してきました。知的財産基本法上、「日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマ」として「協会に残る」ことは明白で、疑いの余地がありません。

 

(ロ) 「合唱団ガイスマ」は、引き続き「日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマ」として存在し続けること。

(ⅰ) 念のためここに明記致しますが、貴殿、佐藤指揮者が退団希望者と共に「合唱団ガイスマ」を抜け出た(脱退)後に作る合唱団(以下「合唱団」 と言います)は、「合唱団ガイスマ」ではありません。それは、名前のない一つの「合唱団」です。

(ⅱ) 「ガイスマ脱退」という言葉に踊らされてきましたが、正確には、「ガイスマからの脱退」・・・つまり、児玉団長、佐藤指揮者、石井幹事長及び追従する団員の人達による「ガイスマからの脱退」と協会側は位置付けております。

(ⅲ) 協会としては、「新しい合唱団ガイスマ」に向けて動き始めます。残留するガイスマ団員(小宮陽一氏(復帰)、神郡克彦氏(復帰)、清水光子氏他の有志の方々)と共に「ガイスマ再建」に向けて、「新指揮者選び」を含めて早急に動き始めます。

 

(ハ) 新しい「合唱団」は、協会による以下の各種支援は享受出来なくなることを指摘しておきます。

(1)資金的支援(歌と踊りの祭典参加のための資金的支援を含む)

(2)公的な機関(外務省、在京ラトビア大使館、在リガ日本大使館など)への協会 による口添え

 

以上、謹んでご連絡申し上げます。

 

令和6125日

 

日本ラトビア音楽協会会長 松原千振

 

4. 日本ラトビア音楽協会創立20周年に向けて

当協会としては、日本ラトビア音楽協会創立20周年に当たる本年早々に、このような事態を迎えることは誠に残念に思いますが、今後とも、新合唱団との対話の窓をオープンにしつつ、問題解決に向けて引き続き努力する所存でございます。更には、私(松原)、関係理事及び協会会員一同が一致協力して、本年11月2日予定の日本ラトビア音楽協会創立20周年特別行事に向けて、最大限の努力を傾注し、本年を日本・ラトビア音楽交流の更なる発展の年とするべく、誠心誠意努力する所存ですので、皆様におかれましては、このような事情をご賢察の上、引き続き温かいご理解、ご協力を心よりお願い申し上げます。

 

最終更新日 ( 2024/04/06 土曜日 22:44:20 JST )