最後のステージストーム
ワセグリ定演に驚嘆!! ブラボーの五重丸 佐藤拓指揮者、燕尾服姿をピタリ決め、文字通リ快演! 第65回早稲田大学グリークラブ定演は感嘆、興奮、感動の連続で何とも見事だった。アンコールの4曲も含めて正に男声合唱の王道。4ステージがそれぞれメインと言っても過言ではないオールアカペラの多彩なプログラム。ブラボーに五重丸をつけても足りない快演が続いた。3時間の演奏会が終わってもまだまだ聴き続けたいと思うほど感動した。とにかく凄かった。 第1ステージは学指揮・中島龍之介君による「黒人霊歌集」。自分たちのリズム・響きと、自分たちが感じた曲想で整然と歌い、これまでとは全く違う「黒人霊歌」になった。私自身が現役時代に歌った曲も含まれていたが、新しい感覚の「黒人霊歌」に先ず驚かされた。ハーモニーが実に美しかった。中島君、ブラボーだ。 2ステは我らがガイスマの指揮者でもある佐藤拓君が初の客演指揮者として登場。何と新調したばかの燕尾服姿、演奏前から大きな拍手に包まれた。ピッタリ決まって文字通リ大マエストロデビューの雰囲気。ショスターコーヴィッチ作曲・革命詩人の詩による”十の詩曲”より「六つの男声合唱曲」(福永陽一郎編曲)。音域が極端に広く強烈なfffも求められるこの作品を、学生が持つエネルギーを最大限に引き出した。ローCをさりげなく鳴らすベース、一糸乱れずハイHを会場いっぱいに輝かしく響かせるトップ。佐藤君と共に若いエネルギーが爆発し完全燃焼した。自分でも若い頃OB四連で歌った経験があり、何度も聴いた作品だがケタ違いにエネルギシュな演奏だった。部員の表情に“やりきった!”という感動があふれていた。正直、あと2ステージ歌うエネルーが残っているか心配した。 ところが15分の休憩後の3ステが始まった早々から、心配は無意味だったと知る。藤井宏樹氏指揮の「カウボース・ポップ」(信長貴富作曲)は見事なアンサンブルでこの作品の持つ魅力を完璧に歌い切った。05年に男声版を委嘱したユニークな名曲。ワセグリが初演し12年ぶりに再演する作品だけに特別の思い入れが感じられた。 さらに興奮は続く。4ステは千原英喜氏の大作「東海道四谷怪談」を何と荻久保和明氏に振らせるという考えられない組み合わせ。暗闇から徐々に照明が入ると舞台にパーカッション2台が置かれ、黒服に着替えたメンバーがステージいっぱいに広がるフォーメーション。作品も凄いが演奏はまさに荻久保ワールドとも言うべき驚嘆の世界を作り出した。次々に登場するソリストは台詞回しや声色が中心だが、これがまた実に上手い。演奏が終わって、しばらく言葉が出ないほど興奮した。 再び白タキに着替え、4人の指揮者それぞれのアンコールに続いてステージストーム。何というエネルギーだろう。「早稲田の栄光」は新学指揮の田中渉君にバトンタッチされた。ホールは超満員で当日券なし。ワセグリOBである幸せと誇りをしみじみ感じた。(12月3日・すみだトリフォニー大ホール) 【Latvija編集長 徳田浩】 ※佐藤君の燕尾は関西在住のテーラー・伏村淳二君が製作したものです。同志社グリーOBで大阪稲グリでも活躍する好漢。本番直前まで楽屋で最終調整をしていました。写真は彼のFacebook(彼との2ショット)からシェアし、佐藤君だけをトリミングして掲載させて頂きまいた(伏村君、すみません)。 ※ワセグリの第67回送別演奏会は2018年2月19日(月)18時、杉並公会堂です。入場は無料です。是非ご来場ください。 ※ラトビアの著名なアマチュア女声合唱団「ジンタルス」が来日し、3月30日に早稲田奉仕園スコットホールで行われる演奏会でワセグリが桜楓合唱団と共に歓迎演奏を行います。
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