東京文化会館が超満員に膨れ上がった! オンステ129名 第59回早稲田大学グリークラブ定期演奏会が11月27日、今年も東京文化会館大ホールで行われた。今年のオンステ数は129名(1年生33名)。委嘱初演を含む多彩なプログラムで超満員に膨れ上がった聴衆を完全に魅了した。東京文化会館を札止めにした人気もさることながら(当日売りを予定したOBも入れなかった!)、演奏も今年は本当に凄かった。特に後半の2ステージは感動的な熱演。猛練習が醸成した一糸乱れぬ一体感と、ほとばしる情熱が結実した大きな成果にただただ感歎し、体が痺れる思いがした。4ステの最後は感涙が止らなかった。それぞれの指揮者によるアンコール3曲にも感動した。何とタフな奴らだろう。ワセグリの先輩である幸せをしみじみ感じた一日だった。ありがとう。帰路、知人たちと飲んだワインがすこぶる美味だった。(Latvija編集長 徳田浩) 【プログラムと寸評】 ①男声合唱組曲「木が風に」(詩:吉野弘、曲:大久保正義) 指揮:東松寛之(学生) 東松君大健闘! それぞれが変化に富んだ組曲をよくまとめた。心の四季(高田三郎)にも使われた終曲の詩“雪の日に”がとりわけ素晴らしかった。 ②「声で遊ぶオーケストラの名曲たち」監修とピアノ:前田憲男、指揮:東松寛之 羨ましいほど贅沢な遊び感覚にふと口元がゆるんだ。オープニングのチューニングのアイデアも秀逸。“G線上のアリア”から“ウイリアムテル序曲”まで6曲を前田氏の作詩による早口言葉で歌ったが、全体が軽快なオーケストラサウンド。それでも時々聞き取れる言葉に会場が沸く。ノリノリで高音を歌いまくるトップに、後半のステージ大丈夫か?と本気で心配した。 ③男声合唱とピアノのための「ゆうやけの歌」(詩:川崎洋、曲:湯山昭) 指揮:相澤直人、ピアノ:福崎由香 この曲の雄大さ、抒情性、色彩感、テンポの変化などなどを完璧に表現した名演だった。一つ一つの場面に酔いしれた。こんなに素晴らしい曲だったか、と改めて感じた。指揮者、ピアニストにもブラボー! ④男声合唱組曲「終わりのない歌」(委嘱初演、詩:銀色夏生、曲:上田真樹) 指揮:高谷光信、ピアノ:塩谷亨 今年の委嘱初演だが、名曲の誕生に居合わせた幸せを心から感じた。「光よそして緑」「月の夜」「強い感情が僕を襲った」「終わりのない歌」「君のそばで会おう」。それぞれは短い詩だが、一語一語が心にしみる。それが鮮やかな音になり美しいハーモニーになった。メロディーラインが何とも魅力的。最後にトップにやや疲れが感じられた場面もあったが、全員が素晴らしい表情で完全燃焼していた。“終ってしまった恋がある これから始まる恋がある だけど 僕たちの恋は決して終わりはしない(中略)いろいろなところへ行っておいで いろんな夢を見ておいで そして最後に 君のそばで会おう”。こんな名曲を初演できる歓びをメンバー全員と共に、客席にいる我々も共感できた…。たまたま隣の席が上田真樹氏だったが、お世辞抜きに作曲家にブラボー、ブラボー。その上田さんは第1ステージから熱い拍手を贈り続けておられたことを付記しておく。 今年の活動はこれで終ったが、特筆すべきは9月の東北演奏旅行だった。被災地の惨状に衝撃を受けながらも多くの被災者の方々から暖かく迎えられ、メンバーたちが改めて歌の力を知ることになった。被災したメンバーにも、OBともども精一杯支援の輪を広げることができた。 【今後の演奏会予定】 第61回送別演奏会 2012年2月27日(月)杉並公会堂(時間未定)入場無料「寺山修司の詩による六つのうた」(曲:信長貴富)他 第61回東京六大学合唱連盟定期演奏会 2012年5月4日(祝)五反田ゆうぽうとホール(時間未定)「ワセグリ歌謡Show(仮題)」 第61回東西四大学合唱連盟定期演奏会 2012年7月1日(日)武庫川女子大公江記念講堂(時間未定)男声合唱組曲「御誦」(曲:大島ミチル) 【11月28日】今年は東京文化会館で早大グリー定演
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