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【9月5日】藤井会長「音楽立国ラトビア讃歌」8 PDF プリント メール
作者 webmaster   
2011/09/05 月曜日 20:51:05 JST

 

 

音楽立国ラトビア讃歌(8)

                 日本ラトビア音楽協会会長  藤井 威 

 ラトビア民族意識の高揚に多大の貢献をし、現代のラトビア人の深い尊敬を集めるクリシュヤーニス・バーロンズのダイナ蒐集(22万曲)の事業は、その後も引き継がれます。ダイナとは、ラトビアの人々の間で古くから歌い継がれてきた民謡だけではなく、過去も今も多くの作詞作曲家によって作り続けられており、わが国に当てはめれば、各地の民謡と現代の歌謡曲の全体を指す言葉に当たります。バーロンスのダイナ・スカピスは現在ラトビア民謡アルヒーブに保存されていますが、私が帰国時点での曲数は、120万曲以上ということでした。ラトビアに住むラトビア民族は、130万人足らずという数字と比較してください。ラトビアの人々がダイナに対して持つ熱い気持が伺われる数字と言えましょう。 

 現在に作曲された有名なダイナの一つ「マーラが与えた人生」の歌詞を見て下さい。

  マーラが与えた人生

子どものころ泣かされると

母に寄り添って なぐさめてもらった

そんなとき、母は笑みを浮かべてささやいた

「マーラは娘に生を与えたけど、幸せはあげ忘れた」

 

 時が経って、もう母はいない

いまは一人で生きなくてはならない

母を思い出して寂しさに駈られると

同じことを一人つぶやく私がいる

「マーラは娘に生を与えたけど、幸せはあげ忘れた」 

 

そんなことはすっかり忘れていたけど

ある日突然驚いた

今度は私の娘が 

笑みを浮かべて口ずさんでいる

「マーラは娘に生を与えたけど 幸せはあげ忘れた」

 

  この曲は、ラトビア独立回復後の組閣で文化大臣を務めた音楽家、ライモンズ・パウルスの作曲であり、大ヒット曲となりました。マーラとは、キリスト教化以前にラトビアで信仰された地母神の名称です。貧しい農家で懸命に生きる生命力に溢れる女性三代の生活ぶりが生き生きと表現されています。特に3番の歌詞に注目して下さい。三代目の幼い娘は、「笑みを浮かべて」この曲を口ずさむこの1行が、この曲に深い命を与えています。

  この曲は後にロシアに輸入され、メロディはそのままにして、歌詞を完全に入れ替えられて「百万本のばら」となり、さらに日本で加藤登紀子さんがこれを歌って大ヒットしました。「百万本のばら」はロシアの片田舎に住む一人の詩人が、たまたま巡業にきた有名女優に恋心を抱き、毎日のようにばらの花を贈ったけれども、女優に受け入れてもらえないという意味の歌ですね。ラトビアの原曲とロシアの改作、どうでしょう。私は、原曲の方がはるかに優れていると思います。

  ラトビアの人々の音楽への傾倒は、もちろん、ダイナにとどまらず、オペラやシンフォニー、さらに西洋音楽全般に及び、優れた作曲家や演奏家を輩出しています。この小国の音楽水準の高さは、欧州音楽界でも有名なのです。我が日本ラトビア音楽協会の名前に「音楽」が含まれている理由が充分お分かりいただけると思います。この協会は、音楽を通じた交流にとどまらず、文化交流全般、さらには、政治、経済、文化全般にわたる交流の促進と友好関係の増進に全力を傾注しています。ラトビアに興味を持つボランティアたちの集りに多くの方に是非ご参加いただきたい、そう思います。 

 

最終更新日 ( 2011/09/05 月曜日 21:00:37 JST )
 
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