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【5月3日】圧巻!松下耕指揮の合同演奏 東京六連 PDF プリント メール
作者 webmaster   
2011/05/04 水曜日 17:31:24 JST

 ブラボー、六連の若者たち。一人ひとりがキラキラ輝いていた!                                                                          

                                                                                 徳田 浩(Latvija編集長)

  エ-ル交歓に始まる開演から合同演奏アンコールの終演まで4時間10分という長大な演奏会でしたが、60周年を記念して松下耕氏に委嘱した合同演奏曲「よいしょ!」が実に素晴らしく、同氏の熱い指揮で総勢200人が完全燃焼した熱演が感動的で、私はしばらく席を離れることができないほど興奮しました。全身が痺れる思いでした。

  今回は準備の過程で大震災に見舞われ、どのクラブも一時活動休止を余儀なくされていましたが、様々な苦難を見事な連帯感で乗り越えてこの日を迎えたようです。松下氏によると3曲目が完成したのは奇しくも震災の当日だったそうですが、楽譜が手元に届いてから、強い思いで練習に取り組んだ彼等の情熱がほとばしり、一人ひとりがキラキラ輝いていました。ブラボー!六連の若者たち“と心の中で何度も叫びました。

  彼等をこんなに燃えさせたのは何と言っても作品の素晴らしさでしょう。松下耕氏への委嘱新作「男声合唱のための『よいしょ!』」は、5曲からなるオムニパスで一曲一曲がそれぞれ独立した作品ながら、こうして続けて演奏されると、“閉塞した日本を立て直すために、若者たちが「よいしょ!」と力強く立ち上がり前進して欲しい”というメッセージが荘大な交響詩のように伝わってきました。①「Sanctus-Benedictus in G」②「Ave Maria Scholaris」は現代人(とりわけ若者)が楽しみながら歌えるセンス豊かな宗教曲、③「眠れない夜に舞いつづけよう(詩:桑原茂夫)」は体が痺れるような熱いラブソング、④「俵積み唄」は勇壮な青森県の祝い唄、最後の⑤「今年(詩:谷川俊太郎)」は生き続ける希望を高らかに歌い、災害地への思いが込められていました。それぞれが正に松下ワールド…、この日誕生したこの名曲は多くの男声合唱団によって歌い広げられることでしょう。特にアンコールでもう一度歌われた第3曲が私の脳裏に焼き付いて離れず、いま直ぐにでも歌いたいと強く思いました。(ピアノ:前田勝則)  

 

  各大学の単独ステージは早稲田を除いて相変わらず部員不足が続き、それぞれ少ない人数で今でき得るベストの演奏をしていました。ただどうしても奇麗にまとめることに留意して、若者らしく高らかに歌うという面では今回も不満が残りました。アマチュアの学生はまだ声が出来ていない時期(大学で初めて経験する人も多い)だけに、何かを表現するためにはどうしても数が必要ですね。合同で200名による豊かな表現力を体感しているだけに、時代の流れとは言え、早稲田があれだけ集めているのだから(凄く努力している!)、部員確保に一段の努力を望みたいと強く思いました(早稲田はグリークラブの他にコールフリューゲルも積極的に部員を集めて活発な活動をしている)。以下、演奏順の寸評です。

  明治グリークラブ オンステ23名。外山浩爾指揮「5つのオアハケーニャによる憧憬」。メキシコ地方の原住民に伝わる歌を原語で、そつなく、こじんまりと、十分な練習を伺わせる美しいハーモニーを響かせたが、それぞれの歌が持つ魅力を充分伝えきれなかった。 

 慶應ワグネル・ソサイエティー男声合唱団 オンステ31名。学生指揮者で「島よ(大中恩曲)」。ピアノ前田勝則。人数のわりに迫力もあり音楽的にもなかなか立派な演奏。特に低音パートのユニゾンが美しく力強くて引き込まれた。終盤の山場でトップテノールにもっと声を出して歌ってほしかった。 

 法政アリオンコール オンステ6名。指揮者なしで「あなたへ島へ(高橋悠治曲)」。テーマは済州島の歴史的悲劇。6人が独特の発声で統一し、ダイナミクスもしっかり歌い語った(予想以上の出来)が、やはり6人では如何にも心細く聴いていてひやひやした。1956年から根気よく指導を続ける田中信昭氏は、ステージ上でメンバーの紹介だけして今年も客席の最前列で聴いて熱い拍手を贈った。

  東大コールアカデミー オンステ17名。有村祐輔指揮「Good Old Melodies」。英仏独の古い曲を6曲、もちろん原語で歌う。近年、カウンターテナーによる独自なハーモニーを目指し、今年も正確なピッチで透明感のあるハーモニーが響いた。ただトップがセンプレ・ファルセットの域を抜けきれず、本来のカウンターテナー歌手がもつ輝きに欠けるのはやむを得ないか。 

  立教グリークラブ オンステ36名。高坂徹指揮「白き花鳥図(多田武彦曲)」。昨年も多田作品を演奏したが今年はブラボーの声も飛んだ。ただ、全体が一本調子に聞こえたのは筆者だけだろうか。欠点が全く見えないとても上手い演奏だが、欲を言えばもっと大胆に歌いまわす部分が欲しい。それぞれの曲が持つ趣きの違いが今ひとつ伝わらない。終曲の“白鷺”が美しく秀逸だった。 

 早稲田グリークラブ オンステ数はカウント不能、プログラムでは88名。学生指揮で「ヒメサマクエストⅩⅠ~伝説の花束~」と題したエンターテインメントステージ(ピアノ:久田菜美、エレクトーン:並河弥央)。声は圧倒的。人数が多いから一人一人も思い切り声を出せる。一糸乱れぬ動きを加えながら様々なジャンルの曲が次々に演奏され、奇抜な衣装に身を包んだ部員が舞台上で躍動する。キャンディーズやピンクレディーが登場した時は客席から大拍手と手拍子の嵐。いやはやと思う間もなくパンツ1枚になった部員が数名出てきて踊りだした…。文句なしに楽しいステージで客席も大満足。ただ、古い先輩として激賞すべきか、一言何か言うべきか、まだ迷っている。とにかくお疲れさま。今年もよくやった。あまりの燃焼ぶりに、松下氏が、「すぐ後の合同演奏にスタミナを減少しなければいいが!」と本気で心配していたが…。  

 

 東京六連演奏会は今年が60周年の大きな節目を迎えました。私は第1回から4回まで出場しているので、伝統が受け継がれる不思議な力を感じながら感無量でした。第1回は早稲田のオンステ数が106名で、当時得意だった黒人霊歌を演奏。合同演奏は総勢500名が故秋山日出夫氏の指揮で「今様」「歌え若人」を高らかに歌いました。入場料は100円。日比谷公会堂に長い長いファンの列が続いて場内は超満員。早稲田に入学して2ヶ月目に味わった興奮でした。これが私のグリークラブ初ステージで、グリーへ入って本当に良かったと思いました。その幸せは今も続いています。蛇足ながらこの日は、中学から早稲田グリーまで一緒だった今は亡き親友のお嬢さんを誘いました。「60年も前、君のお父さんと一緒に、当時は詰襟姿であのステージで歌ったんだよ」。亡き親友との思い出話を一生懸命に聞いてくれました。彼女は父の影響を強く受けて今も合唱を心から楽しんでいます。

最終更新日 ( 2011/06/02 木曜日 09:09:25 JST )
 
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