当協会会員の菊池康則氏(日本ガルータ協会代表)から、リガ大聖堂のオルガンを弾いた初めての日本人オルガニスト・浅井美紀さんの情報が届きました。素晴らしい快挙です。全文を掲載します。【Latvija編集室】 オルガニスト浅井美紀さん、ラトビアにデビュー 日本ガルータ協会代表・菊地康則 去る8月7日、世界に名だたるリガ大聖堂のパイプオルガンで、日本のオルガニストの力量をラトビアの音楽ファンに知らしめた女性、それは私が2003年に行った演奏会でオルガンを弾いてくださった浅井美紀さんです。 浅井さんは私が日本初演を企画したガルータ作曲のカンタータ「主よ、あなたの大地は燃えている!」のオルガン部分に強い関心を示し、声楽方面のみならずオルガニストにとっても興味深いこの作品の演奏にご参加くださいました。このことがきっかけで、2005年にはヤルマクス作曲のオルガン組曲「惑星」全曲版世界初演も任されました。 この2つの音楽大作についての日本での取り組みはラトビアの音楽関係者に広く伝わることになり、ついに世界のオルガニストがあこがれるリガ大聖堂のコンサートに登場するべく、その招聘にいたりました。 プログラムには浅井さんが得意とするバッハ、ベーム、ブルーンスといったドイツ・バロックの作曲家に加え、山田耕筰の「この道」(オルガンのためのアレンジ)、そしてガルータの「パッサカリアとフィナーレ」という両国を代表する作曲家の音楽が盛り込まれました。 浅井さんは同じくオルガニストであるご主人とともにラトビアを訪れ、すぐに当地のマスコミのインタビューを受けました。通訳のリーガさんのご助力で、インタビューは首尾よく行われました。 【日刊紙DIENAの記事アーカイブ】 http://www.diena.lv/lat/izklaide/muzika/klasiska_muzika/skanu-cels-lidz-latvijai 演奏会当日にはLatvijas Radioのインタビューがラジオ放送され、放送局のウェブサイトで録音を聴くことができます。その中の、「ラトビアの人みんなやさしい!」という浅井さんの言葉は、昨年秋から後方支援を続けてきた私にとって最も嬉しい、そしてむくわれるものでした。 浅井さんは大聖堂でのコンサートの前日にも、日本からの直行便でやってきた日本の代表団のみなさんのために少しだけ演奏を披露しました。まさかリガで日本のオルガニストの演奏を聴くことになろうと、誰が予想したでしょうか。それが嬉しい驚きであったことは想像に難くありません。 大聖堂の担当者シルヴィヤさんは浅井さんについて、「いつかまた美紀さんの演奏会が大聖堂で行われることを願っています」とコメント。7日の演奏会が成功であったことが伝わりました。 また、浅井さんは翌日ユルマラ沿岸のスロカ・ルター派教会のコンサートにも出演。バッハ、ガルータのほか、細川俊夫の現代作品も演奏しました。こちらではご主人もオルガニストとして参加してメンデルスゾーンなどを披露、さらにはラトビア音楽アカデミーのシーマニス院長(サクソフォーン)が「この道」で浅井さんとのデュオを行うなど、バラエティに富んだものとなりました。主催者のエディーテさん(名オルガニスト、ターリヴァルディス・デクスニス氏夫人でご自身もオルガニストです)もシルヴィヤさん同様、「またユルマラに来てほしいです」とのご感想でした。 初めてのラトビア訪問ということもあり、リハーサルの合間の観光、音楽関係者の方々との交流など、ご夫妻の思い出は強く深いものとなったことでしょう。 日本のオルガニストの皆さんが浅井さんの活動に刺激を受け、ラトビアのオルガンに関心を深めてくださることを願っています。
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