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【7月16日】Latvija16号に名刺広告募集 PDF プリント メール
作者 webmaster   
2009/07/16 木曜日 13:11:45 JST

  日本ラトビア音楽協会は8月下旬に、協会ニュース「Latvija16号を発行します。この号では紙面に残暑見舞い名刺広告掲載を企画し、皆さまから積極的な協賛を求めています。会員の皆さまにはメール・郵送でご案内をお送りしましたが、一般音楽愛好者・団体の方々にも是非ご参加いただき、紙面を通じて残暑お見舞いのご挨拶を交換されますようお願い申し上げます。「Latvija」は会員に限らず、多くの音楽関係者・団体、関連官庁、会社などにも幅広く配布してご好評を頂いております。なお掲載の形態は、協会ニュース「Latvija」をクリックされ、5号(2006年)、8号(2007年)、13号(2008年)などをご覧ください。【Latvija編集室】

  

 

日本ラトビア音楽協会 会員の皆様

 

 

                                専務理事 加藤晴生

                                常務理事 徳田 浩

                              (広報・Latvia編集担当)

Latvija16号』残暑見舞い名刺広告のお願い 

 

謹啓 皆々様には益々ご健勝のことと心からお慶び申し上げます。

 さて、当協会もいよいよ設立5周年を迎えます。この間、在日大使館が設置され、日本とラトビア共和国の親交は急速に深まってまいりましたが、私どものささやかな活動が、その一助を担えたことは誠にご同慶でございます。

私どもの活動の中でも重要な位置付けをしてまいりました協会ニュース「Latvija」はこれまで15回発行致しました。これは一重に、大鵬薬品工業様のお陰でした。4号から連続12回にわたって全面広告を出稿賜り、経済面はもちろん、精神面でも大きく支えて頂きました。ところがこの度、経営方針の都合で、休止の止む無きに至りました。

ご承知のように、私どもの活動は会員各位の会費だけで賄っております。今回の事態に「Latvija」発行休止も考えましたが、協会は今重要な岐路に立っており、減ページしてでも定期発行を継続する決意を固めました。つきましては、8月下旬発行予定のLatvija16号に「残暑見舞い名刺広告」を企画いたしました。何卒ご賛同賜りますよう懇願申し上げます。

末筆ながら大鵬薬品工業様には長年の援助を賜りましたこと厚くお礼申し上げます。また、皆様におかれましてはご健康に留意され、益々ご活躍されますよう祈念申し上げます。謹白

                                                         

                 記

料金 1枠 10,000円(タテ35mm、ヨコ70mm)横書き (複数枠歓迎致します)

※別添申込書にご記入の上、お申込みください。料金は現金書留、銀行振込み、郵便振替(振替用紙は後送します)にてお支払いください。

※締め切り 8月1日(土)

※申し込み先

2290014相模原市若松1-14-10 遠藤税理士事務所

日本ラトビア音楽協会事務局

TEL  042-745-3334   FAX  042-740-4725 

E-mail   このメールアドレスはスパムボットから保護されています。観覧するにはJavaScriptを有効にして下さい

※ご入金先

1、三菱東京UFJ銀行 相模大野駅前支店 普通0610501

日本・ラトヴィア音楽協会 会計 遠藤守正(えんどうもりまさ)

2、郵便振替口座 00260-2-43831  日本・ラトヴィア音楽協会       

 

 

残暑見舞い名刺広告申込書 

日本ラトビア音楽協会御中

(FAX 042-740-4725  Eメール このメールアドレスはスパムボットから保護されています。観覧するにはJavaScriptを有効にして下さい ) 

 

 

Latvija16号名刺広告

 

ご住所                         

 

 

ご氏名                         

 

ご掲載原稿(横書き・団体名でも可)
 

 

※原稿内には掲載ご希望のものだけをご記入ください

所属及び役職 (株式会社○○○代表取締役、△△合唱団団長など)

職業 (ピアニスト、指揮者、弁護士、音楽評論家など)

住所・電話・メールアドレスなど

※当協会役職名は原則として掲載させていただきます。※使用文字・大きさ、割付けは編集部に一任ください。社名などをロゴで掲載ご希望の方はお送りください。前回と同一の場合は原稿欄にその旨記載下さい。        

最終更新日 ( 2009/07/16 木曜日 13:37:14 JST )
 
【7月7日】Latvija編集室便り(5) PDF プリント メール
作者 webmaster   
2009/07/07 火曜日 16:30:23 JST

 

 加藤専務理事の叙勲、本国でも大きく報道 

  加藤晴生専務理事の叙勲は、地元ラトビアの有力紙「Diena」でも大きく報道されるなど、本国でもビッグニュースになりました。堀口大樹ラトビア語教室講師が内容を翻訳してくれました。授与の当日付けで、今夜こういう催しが行われると報道されたものです。

日本ラトビア音楽協会設立者加藤晴生に「感謝の十字」を授与

7月3日

 ラトビア共和国外務省プレスセンターによると、7月3日在日ラトビア大使ペーテリス・ヴァイヴァルスは、国家勲章である「クロス・オブ・レコグニション(感謝の十字)」を、日本ラトビア音楽協会の設立者で専務理事である加藤晴生に授与する。加藤晴生はすでに約30年もの間、積極的に日本とラトビアの経済・文化交流促進のために活動してきた。早稲田大学の合唱団で歌い、何度もラトビア訪問、5年前に日本ラトビア音楽協会を設立し、現在約200名の会員を抱える。日本ラトビア音楽協会は定期的に在日ラトビア大使館とともに行事を開催している。同協会はラトビアの音楽を日本に積極的に普及する活動を行い、大使館でラトビア語講座も開いている。

昨年は50名の日本ラトビア音楽協会会員がラトビアの歌と踊りの祭典を訪問しており、協会はラトビアの音楽家や、大使館主催の行事をサポートしてきた。

授与式後に大使館で、大使館と日本ラトビア音楽協会によるサロンコンサートが行われる。コンサートにはピアニスト佐々木武彦、ソリスト渡辺ゆき、またピアニストの風呂本佳苗、バイオリニストの白井朝が出演する。ラトビアと日本の音楽の他、世界でも著名な作曲家の作品が演奏される予定である。

 

 

 

ラトビア首相会見「緊縮財政で経済再建急ぐ」 

 日本では政治家達が「100年に一度の不況危機」発言を繰り返していますが、ラトビアも08年秋の金融危機以降は資金流出が加速し、6月には政府短期証券の入札で応札がゼロとなる異例の事態が発生するなど、厳しい状況が続いています。

日本経済新聞は76日付けで、ドンブロウスキス首相の記者会見を伝えました。要点は次の通りです。

(1)「通貨ラト切り下げの観測があるが、13年~14年を目標にしているユーロ導入まで、通貨には如何なる変更も行わない」。

(2)「ラトビア政府は6月、09年の歳出を約1割の5億ラト(約960億円)を減らす緊縮財政を決定。財政再建で国際社会からの金融支援維持を目指す」。

(3)「09年の成長率はマイナス18パーセントになる(これは国際通貨基金(IMF)の予想12パーセントよりさらに厳しい数字。バルト三国のエストニア、リトアニアもほぼ同様の見通し)。10年下期にはプラスに転じる。財政赤字をGNPの3パーセント以内に収める目標を11年に達成すればユーロ導入は13年、12年達成なら14年になる」。

※金融不安が続く中、IMFの第2弾融資を得るためには、ラトビア自体の経済再建が前提になる。ラトビア政府は通貨切り下げをせずに緊縮財政で実体経済を調整する道を選択したが、国民生活に大きな痛みが伴うことが予想される。

※緊縮策には71日から年金1割カット、職に就きながら年金を受け取る人は7割カット、公務員給与2割カットのほか、警察学校の閉鎖も検討中という。2ケタ成長が続いたラトビアもここへきて消費が急降下している。日米や欧州主要国は大幅な資金投入で危機対応を進めているが、経済基盤の弱い国々は大きな試練に直面している。

 

ラトビアの人達は長い歴史の中で、大きな苦しみや様々な試練を克服してきました。若い首相の牽引力とラトビア人魂で、今度の試練も必ず克服すると確信しています。日本ラトビア音楽協会広報担当としては、“一人でも多くの人がラトビアを訪問して欲しい!”と願う他ありません。ラトビアの観光収入は極めてパーセンテージが高いのです。

  

 

 

黒沢歩氏、ラトビア柔道界を取材 

 これはとても嬉しいニュースです。昨年、東京で黒沢歩さんと食事をした時、「日本柔道はラトビア柔道界と正式な交流がなく、私(柔道新聞編集長)も全く事情が分からない。機会があったら取材してくれませんか」と話したことがありましたが、それを覚えてくれていた黒沢さんが、ラトビア柔道連盟などを取材して素晴らしいレポートと写真を送ってくれました。ラトビアに於ける柔道の歴史、現状はもとより、柔道が発祥した日本を彼等が深く尊敬し、交流を望んでいることがはじめて分かりました。写真の1枚に私は大きな感動を覚えました。道場の壁の中央に、柔道の創始者・嘉納治五郎の写真、その左右に日本国旗とラトビア国旗が常時掲示されているのです。

 

 “これは柔道界の全ての人に読ませねばならない!”。私の個人的都合で目下「柔道新聞」は休刊中の為、柔道専門誌の最大手「近代柔道」に掲載する手配をしました。これを機に、柔道でも日本とラトビアに親しい関係が生まれるよう願っています。その為に少しでもお役に立ちたいと考えています。全文は「近代柔道」に掲載後、「Latvija」にも掲載予定です。

Latvija編集長 徳田浩】

最終更新日 ( 2009/07/17 金曜日 18:35:47 JST )
 
【7月6日】第58回東西四大学合唱演奏会(7月5日) PDF プリント メール
作者 webmaster   
2009/07/06 月曜日 23:29:57 JST

 

圧巻だった早稲田グリーの「縄文ラプソディー」

 伝統に輝く東西四連の第58回演奏会が75日、昭和女子大学人見記念講堂で行われました。伝統・実力とも、大学の男声合唱をリードしてきた東の慶應義塾ワクゲル・ソサィエティー男声合唱団、早稲田大学クリークラブ、西の関西学院グリークラブ、同志社グリークラブのいわゆる《ビック4》が、昭和27年から年1回、一度も欠かすことなく、それぞれの最高の演奏を披露し、友情を確かめ合い続けた演奏会です。いつもながら緞帳が揚って、舞台後方に掲示された各団旗を目にし、全メンバーが各大学別に並んでエールの交歓が行われるひと時は、各OBにとってたまらない興奮を味わいます。今年は慶應が30名、同志社が22名、関西学院が43名、早稲田が約70名とオンステ数に差がありましたが、それぞれが伝統の力を充分発揮した演奏でした。

 とりわけ今年は、作曲者・荻久保和明氏が自ら指揮した早稲田の「縄文ラプソディー」が贔屓味を抜きにしても圧巻でした。

 

 ①慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(30名)

 男声合唱組曲「柳川風俗詩」(詞:北原白秋・曲:多田武彦)を、音楽界の重鎮・畑中良輔氏の指揮で演奏。四連演奏会が始まった昭和20年代後半の作品だが、冒頭に、平野忠彦氏が柳川の情緒を豊かに語る朗読で雰囲気を盛り上げ、全ての点で素晴らしい好演だった。畑中氏の卓越した音楽作りはさすがで、古い作品とは感じられない新鮮さに満ちていた。

 

 ②同志社グリークラブ(22名)

 「北欧の風景」と題した、フィンランド、ノルウェー、スエーデンの作曲家作品集を演奏した。指揮は「なにわコラリアーズ」などの指揮で注目を集める伊東恵司氏(同クラブOB)。人数は少ないが、ステージ一杯に広がって一人ひとりが自信に満ちた表情で醸し出す透明なハーモニーが秀逸だった。一見地味なステージを終曲で一気に盛り上げた。

 

 ③関西学院グリークラブ(43名)

  6曲からなる無伴奏男声合唱曲「いつからか野に立って」(詩:高見順・曲:木下牧子=2003年)を、やはり関西を中心に活躍する実力派若手・本山秀毅氏(京都市立芸大出身)の指揮で演奏。戦前から賞を独占していた関学も一頃は人数が少ない時期があったが、いわゆる伝統の関学トーンは今日の数がベストと思われる素晴らしい響きだった。技術的にそれほど難しくない作品を極めて中身濃く演奏、ベースがとてもよく鳴っていた。“ブラボー!”の声が飛んだ。

 

 ④早稲田大学グリークラブ(約70名)

  1987年に同クラブが委嘱初演した「縄文ラプソディー」を作曲者・荻久保和明氏自らの指揮で演奏(ピアノ:前田勝則)。「噴煙」「賛歌・悲歌」と題されたヴォカリーズに、宗左近の詩集「縄文」からの「滝壺舞踊」に作曲したものを挟んだ3楽章からなる。極めて意欲的作品で、難解なリズム・ハーモニーと強烈なフォルテシモと極端なピアニッシモを要求される多彩なこの作品を、早稲田70名が一糸乱れぬ見事な演奏で、やはりこの日の圧巻だった。演奏が終って、しばし静寂の時…、それから嵐のような拍手が起きた。聴衆はこの作品の素晴らしさと好演奏に、完全に魅了され包み込まれていた。六連ではやや辛口に書いたが、この日の早稲田は贔屓目なしに“ブラボー!!”の熱演。目に感涙が滲んだ。ピアノの前田勝則氏も見事だった。

 

 ⑤合同演奏 

「合唱のためのコンポジションⅢ」(曲:間宮芳正)を、新進の指揮者・佐藤正浩氏(東京芸大声楽家出身)の捧で演奏。男声合唱の定番とも言える日本ムードたっぷりの作品を、早稲田の演奏で興奮したあと、楽しく聞いた。初めてこの作品を歌うメンバーも多かったと思うが、よく練習していて、全員が本当に豊かな表情で歌った。四連演奏会に出演したメンバーにとって、最も嬉しいステージでもある。今年はOB四連の合同も佐藤氏が「枯れ木と太陽の歌」を振る(726日・すみだトリフォニー大ホール・13時開演)

              

 

 

四連の伝統(第1回演奏余話) 

 

 東西四連演奏会は1952年(昭和27年)に始まりました。第1回は関西で行われ、東西の4強が一同に集るというので、京都、大阪での計3回の公演はいずれも超満員でした。各大学ともこの演奏会には特に力を入れ、以降、それぞれが歴史的名演を残しています。当初は各校2ステージと合同演奏という形でした。後に、この演奏会の為の委嘱作品も数多く生まれています。

 

 早稲田大学グリークラブ100年史に、第1回演奏会の為に西下した時のことを次のように記述しています(58年も前の話です!)。

学指揮からの指示 汽車の中は出来るだけ寝ること。ノドの乾燥を防ぐため“マスク”を用意すること。相手の関学、同志社はミッションであり、紳士的に行動すること。関西ではブランクが2日あるが、この日も練習するので自分の家や知人の家へ泊まりに行かないこと。服装は上下学生服。

919日の夜行で2・3・4年のセレクトメンバー40名が勇躍関西へ旅立つ。セレクトの基準は30名が出席順、5名が技術、5名が補欠。全員連れて行きたかったが、費用の点でやむを得ず残念。40名は遊びに行くのではないから演奏に集中すること。旅の恥はかきすて、なんでことは絶対にないように。

◎夜行列車は早慶合同で、翌朝、京都駅に出迎えてくれた関学、同志社の幹部を前に「都の西北」と「丘の上」をホームでハモりました。宿舎もやはり早慶合同で、同志社近くの相国寺大広間にずらりと煎餅ふとんを並べて泊まりました。

相国寺の変 早稲田の幹部部員が門限時刻に遅れて宿舎に戻り、若手メンバーのつるし上げに平身低頭して謝った事件。出演メンバーだった早稲田の岡村喬生(3年生)の珍芸(?)や、慶應の後のダークダックスのメンバーによるとっさのカルテット演奏で雰囲気を和らげるなど数々の話題を残しました。

※筆者(徳田)はこの時1年生でメンバーに選ばれず、郷里の奈良へ帰郷して京都での演奏を聴きました。第2回から第4回まで出演しました。

                    【Latvija編集長 徳田浩】

   
最終更新日 ( 2009/07/08 水曜日 16:54:26 JST )
 
【7月6日】映画評:シネマ「バトル・オブ・リガ」 PDF プリント メール
作者 webmaster   
2009/07/06 月曜日 12:08:11 JST

 

 ラトビア映画「バトル・オブ・リガ」をご覧になった会員の方から感想が寄せられました。ご本人のご希望で署名をイニシアルにしました。【Latvija編集室】 

 

  東京国立近代美術館フィルム・センターで開催されたEU主催フィルム・フェステイバルで、その一環として66日と19日に「バトル・オブ・リガ」が上映された。会場には日本ラトビア音楽協会会員の方々の姿も多数見られ大盛況であった。

  この映画は1918年に独立を宣言したばかりの脆弱なラトビア民族政権が、1919年10月、圧倒的な兵力でリガを攻撃してきた帝国ロシアとドイツの残留部隊からリガを防衛した歴史である。当時バルト地域には、第一次大戦後の極めて流動的な時代状況が残っており、独立を求めるラトビア民族政権のほか、ドイツ帝国とロシア帝国の残党、ボリシェビキ政権、バルトを故地とするバルト・ドイツ人の勢力が三つ巴四つ巴となって混戦を繰り返していた。

  映画は、ラトビア建国史の一コマであるリガ防衛を、ラトビア・ライフル連隊の帰還兵マーティンシュと婚約者エルザの愛の行方を前面に出しつつ、ラトビア人の民族としての自由と独立を求める不屈の時代精神を壮大な叙事詩として描いている。ラトビアでは50万人の観客がみたという。   映像が素晴らしくその美しさに圧倒される。ダウガワ河の対岸から見たリガ市の姿は神秘的な美しさを放つ。最新のCG技術を駆使しダウガワ河を巡る攻防のスペタクルは迫力がある。ラトビアではオペラや演劇が盛んであったためか独自の視覚美学をそなえており驚くほど洗練されている。達者な俳優陣、的確な演劇作法もオペラで培われた伝統だろう。名作「戦艦ポチョムキン」を作ったエイゼンシュタインを生んだラトビアのことである。どこか映画をつくるDNAがあるのかもしれない。歴史的名画といってよい。 

  見所として強く印象に残るのが主役マーティンシュだ。マーティンシュが断然いい。ラトビア・ライフル連隊はラトビア随一のエリート部隊でレーニンの身辺警護でも名声をはせた。マーティンシュはそのライフル連隊の復員兵として帰国したが、進軍してくる侵略軍に対抗して祖国を守るため義勇兵を指揮し神出鬼没の活躍をする。その顔はつねに深い悲しみをたたえている。それは非情な大国の横暴に翻弄されつづける小国の運命の悲哀を象徴しているかのようだ。この悲しみと無常観こそ隠された真のテーマではなかろうか。

 このマーティンシュを演じたヤーニス・レイニスはラトビア演劇界を代表する俳優の一人である。マーティンシュは実在の人物か。歴史映画には虚実がある。実はマーティンシュはこの映画が作り上げた映像上の人物である。実際の英雄は卓越した指導力を発揮したウルマニス首相(その後大統領)とそれを支えた勇敢なラトビア人市民であろう。マーティンシュはこのような勇敢なラトビアの人々の理想を人格化したものといえよう。またマーテインシュはラトビアの伝説上の救国の英雄ラーシプレーシイスと重なって見える。その後もラトビアは1941年、1991年に、それぞれソ連の侵攻を受け熾烈な市街戦を戦った。この映画はそのような歴史に対する強烈な既視感覚に襲われる。かつてライシャワー教授は「ヨーロッパ社会とは本質的に戦国時代のままだ」と喝破したことがある。ラトビアを通じてヨーロッパの地平線が見える意義は大きい。(ST)

(注:「バトル・オブ・リガ」は、2009年アカデミー外国語映画賞受賞作品。DVDで発売され(5000円)、レンタル店でもご覧になれす。) 

         

最終更新日 ( 2009/07/06 月曜日 12:29:23 JST )
 
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